粒子線治療のスキャニング照射は粒子線(ペンシルビーム)を電磁石を用いて方向を調整し、がん病巣を塗りつぶすように照射する技術であり、頭頸部がんなど複雑な形状の腫瘍にも対応できる事がメリットとされる。一方ペンシルビームは患者体内の不均質性の影響を受けやすく、位置誤差や動きに対して線量分布が乱れ易い。本研究ではビーム経路上における体内不均質性の影響の受けやすさをパラメータ化し、不均質性による最も影響を受けにくいビーム経路を選択することで堅牢性の高い治療計画の立案方法の提案をした。10名の実患者のCT画像データを用いて検証し、本手法の効果を実証することができた。
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