研究課題
本研究の目的は,スコピストの技量を定量的に評価するシステムを構築し,スコピストとして必要な技術を習得するためのトレーニングシステムを開発することである.平成28年度は,前年度に作成した乳児サイズのドライボックスを用い,被験者にスコープでドライボックス内に配置されたマーカーを捕捉したり,ボックス側面のラインを追跡したりするタスクを課し,スコピストとしての手技を評価するシステムを考案した.また,本システムの妥当性を評価するために学会場へ出展して被験者を募り,データを収集・解析した.今年度は,平成28年度に行ったスコピスト手技評価システムの妥当性実験で明らかになった改善点を修正したあと再度妥当性評価実験を行い,また,考案したタスクがスコピストのトレーニングとして有用かどうかを評価する実験も行う予定でいた.しかし,前年度の実験結果はワーキングスペースが小さな小児外科特有のものであるのか,成人外科においても同等の結果が得られるのかを先に検証すべきであると考えを改め,計画の変更を行ったことから,システムの変更を行うにとどまった.3年間の研究期間を通じて,我々の作成したシステムは研修医と非研修医の間にスコピストとしての技術の差を見出すことができることがわかった.また,マーカー捕捉というシンプルなタスクにおいても技術の差が出るということがわかった.さらに実験終了後に被験者に対して行ったアンケートでは,スコピストの手技評価として,また,トレーニングとして有用な可能性があると評価された.
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Journal of Laparoendoscopic & Advanced Surgical Techniques
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