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2016 年度 実施状況報告書

ヒトiPS細胞由来バイオ人工肝臓のin vivo performanceの検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K10023
研究機関関西医科大学

研究代表者

白水 泰昌  関西医科大学, 医学部, 講師 (20279186)

研究分担者 角 昭一郎  京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (80252906)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードヒトiPS細胞 / バイオ人工肝 / 内胚葉
研究実績の概要

ヒトiPS細胞からより再現性の高い肝細胞への分化誘導のためにTrypLEを用いて単細胞として、ROCK inhibitorを加えた培地でinitial cell densityを調整し、分化誘導法の工夫を行った。definitive endodermへの分化誘導に際し、Activin A treatmentが広く応用されているが、無血清培地下ではmassive cell deathが必発である。この問題を克服するために、我々はActivin A treatmentにgrowth factorを加えることで、細胞死を軽減させより安定したdefinitiv e endodermへの分化誘導に成功した。これまでのcell clumpでの播種に続いての分化誘導開始に比べ、initial cell densityを調整し、growth factorを併用することで、より再現性の高い効率的な内胚葉系への分化誘導結果が得られた(Foxa2・Sox17といったdefinitive endoderm特異的な遺伝子発現をRT-PCR、タンパ ク発現を細胞免疫染色法によって確認し評価)。さらに誘導されたdefinitive endodermを引き続きBMP4 treatmentを行って肝前駆細胞への誘導を行い(AFP・ALB・HNF4aの遺伝子発現をRT-PCR法によって確認)、続いてバイオ人工肝の作成に移行した。しかし、分化した肝前駆細胞を回収し人工肝作成のための包埋操作に移ると細胞ロスが多く、作成したバイオ人工肝はviableではなかった。このため、肝前駆細胞への分化誘導過程を浮遊培養とし細胞塊を作成した。付着培養に比べてより肝前駆細胞への分化が促進され、バイオ人工肝作成時の包埋操作もより容易であった。さらにバイオ人工肝作成時の細胞ロスも少なくなったが、機能的にはまだ不十分であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ラット膵島を使ったバイオ人工膵臓で実績のあるpolyvinyl alcohol (PVA)を用いて、バイオ人工肝の作成を行っているが、人工肝作成時の細胞ロスが多く、まだ移植可能な人工肝作成には至っていない。肝前駆細胞を単細胞にして人工肝の作成を行うと細胞ロスが著明で、作成した人工肝内には十分な肝前駆細胞が保持できずに機能的にも不十分であった。

今後の研究の推進方策

ヒトiPS細胞から内胚葉系細胞への分化誘導法の工夫により、より安定した効果的な誘導に成功したことから、引き続きその機序を探索し論文化をすすめる。また、バイオ人工肝作成時の細胞ロスを減らすために肝前駆細胞塊のPVA包埋手技の工夫を行うと同時に、細胞包埋凍結操作の不要な新たな細胞注入タイプのバッグ型デバイスを導入し、移植実験への応用に努める。

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公開日: 2018-01-16  

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