研究課題/領域番号 |
15K10028
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
柳 佑典 福岡大学, 医学部, 助教 (30596664)
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研究分担者 |
田口 智章 九州大学, 医学研究院, 教授 (20197247)
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 寄附講座教授 (50420609)
林田 真 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70452761)
松浦 俊治 九州大学, 医学研究院, 講師 (10532856)
孝橋 賢一 九州大学, 医学研究院, 講師 (10529879)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 再生医療 / Tissue engineering / 人工肝臓 |
研究実績の概要 |
肝細胞、HUVEC、MSCを96well非接着性丸底プレートに播種し、細胞凝集塊(スフェロイド)を作成した。スフェロイドの形成期間、大きさ、形状およびアルブミン産生能を解析し、90%以上の成功率を持ってバイオ3Dプリンターによる積層が可能な、再現性の高いスフェロイド形成法を確定した。バイオ3Dプリンターを用いた立体的肝組織の大型化のため、効率的に組織培養を実施できるようスフェロイド固定用の剣山の大型化や還流培養装置の開発・改良を行い、これまでより数倍大きな組織が作成可能となった。バイオ3Dプリンターを用いて、スフェロイドを積層・癒合させ小さな肝組織を作製した。還流培養装置の開発・改良により肝細胞、HUVEC、MSCより作成した立体肝組織の1か月の培養に成功した。作成した立体肝組織は血管様構造を認め、さらに胆管上皮細胞のマーカーであるCK19+の細胞がみられ胆管様構造の構築が見られた。この肝組織を培養1週間後にヌードラットに移植したところ、ラット内でもCK19+の細胞がみられ胆管様構造の構築が見られた。現在、胆管上皮細胞に分化した細胞の特定のため、免疫染色や遺伝子解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
立体肝組織の大型化技術の開発は進んでおり、これまでより数倍の大きさの立体組織が作成可能となった。また、1か月の培養後、立体組織内での胆管様構造の構築が確認でき、 胆管構築の可能性が示唆された。 一方、歯髄幹細胞からの胆管上皮細胞の分化誘導法の確立にはまだ至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
大型組織の培養に酸素供給の課題などがあり、組織培養法の改良をさらにすすめ、組織の大型化技術の開発を行っていく。 胆管上皮細胞の培養法の確立を進め、胆管上皮細胞を含む立体構築による胆管構築について検討する。一方で、胆管上皮細胞を含まない場合でも細胞分化による胆管上皮細胞の出現と胆管形成が見られているため、胆管構築のメカニズムについて解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
九州大学 孝橋賢一先生のH28年度分担金100,000円を使用しなかったため、H29年度に配当いたします。
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次年度使用額の使用計画 |
物品購入費として使用予定
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