研究課題/領域番号 |
15K10031
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上野 真一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (40322317)
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研究分担者 |
前村 公成 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30398292)
迫田 雅彦 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (40418851)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
飯野 聡 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (80598003)
樋渡 清司 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80721216) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Surv.m-CRA / 遺伝子治療 / がん悪液質 / サイトカイン |
研究実績の概要 |
Surv.m-CRAの腫瘍導入を図る医師主導治験は、治験実施計画書も厚生労働大臣に承認され、現在軟部腫瘍を中心に患者投与がすでに開始された。臨床データとともに血液検体等も蓄積中である。1例目は左大腿軟部腫瘍例に Surv.m-CRAが投与され、投与後28週で48%の腫瘍縮小が得られ、PRと判断された。とくに明らかな有害反応は認められず、治験続行可能と判断される。
免疫細胞や癌幹細胞変化について免疫組織学・分子生物学的な面から明らかにする、また全身の恒常的炎症状態による治療応答性を明らかにするためのコントロール群作成のために、鹿児島大学腫瘍制御学消化器外科にある肝胆膵進行癌それぞれのDNA,RNAライブラリーより約100例ずつの承諾を得て、癌部・非癌部のサイトカイン発現、インフラマソーム発現・変異に対するDNAマイクロアレイを行う研究を引き続き進行中である。 癌細胞のミトコンドリア損傷---ミトコンドリアDNA酸化(apoptosis)---NLPR3インフラマソーム活性化---IL1BやIL18分泌---Th1型の炎症反応(癌細胞の生存・増殖)にみられる治療抵抗性誘導の可能性もあり、以下のようなパラメーターについて検討を行っている。 ①サイトカイン類(TNF, IL1B, IL6, IL8, IL10など)と血管新生誘導因子類に関して約30種類をノミネートし、DNAマイクロアレイ解析を継続中である(癌部/非癌部組織)。②血液サンプルより得られた核酸についても同様の検討を行われている。③転写因子STAT3活性化(癌組織)核蛋白レベルでの発現をEMSAで検討してる。④Surv.m-CRA-1投与効果判定と上記で得られた癌微小環境の炎症状態や全身の恒常的炎症状態との比較検討のために、上記コントロール例の臨床的データ収集が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
治験に関しては、すでに症例とサンプルの蓄積中である。
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今後の研究の推進方策 |
患者サンプル収集は、平成27,28年と同様に継続する。収集された組織・血液サンプルについて、下記の検討を行う。(1) 核酸、転写因子等の検討 ① サイトカイン類(TNF, IL1B, IL6, IL8, IL10など)とインフラマソーム構成分子類(NOD, IPAF, NAIP, NLRC, AIM family)、さらに、血管新生誘導因子類に関して約30種類をノミネートし、DNAマイクロアレイ解析を行う(癌部/非癌部組織)。② 血液サンプルより得られた核酸についても同様の検討を行う。 (2)代表的なサイトカイン類やHMGB1については、血清ELIZA測定、また定量的RT-PCRも行う。 (3)免疫組織学的検討(癌部/非癌部組織):① CSCマーカー変化: EpCAM, CD133, CD14など ② 腫瘍部TAM等の免疫細胞:抗体F4/80にて局在確認し、また独自のFrB等で機能的評価を行う。 (4)Surv.m-CRA-1投与効果判定と上記で得られた癌微小環境の炎症状態や全身の恒常的炎症状態との比較検討。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況により、次年度に繰り越しての物品購入等が適していると判断した為。
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次年度使用額の使用計画 |
英文校正料・英文雑誌投稿料 採血によるDNAデータ分析にかかる費用
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