研究分担者 |
前村 公成 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30398292)
迫田 雅彦 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (40418851)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
飯野 聡 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (80598003)
樋渡 清司 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80721216) [辞退]
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研究実績の概要 |
Surv.m-CRAの腫瘍導入を図る医師主導治験は、治験実施計画書も厚生労働大臣に承認され、現在軟部腫瘍を中心に患者投与がすでに開始された。臨床データとともに血液検体等も蓄積中である。1例目は左大腿軟部腫瘍例に Surv.m-CRAが投与され、投与後28週で48%の腫瘍縮小が得られ、PRと判断された。とくに明らかな有害反応は認められず、治験続行可能と判断される。用量決定のための3×3名のトライアルが完遂し、その安全性や治療反応性については報告が行われた(ASCO2019, 2020)。 疫細胞や癌幹細胞変化について、免疫組織学・分子生物学的な面からと全身の恒常的炎症状態による治療応答性を明らかにするために、既存資料(コントロール群約20サンプル)と、2015-19における肝胆膵進行癌それぞれのDNA,RNAライブラリーを用いて癌部・非癌部のサイトカイン発現、インフラマソーム発現と腫瘍変異に対するDNAシークエンス、またマイクロRNA解析などが行われた。本遺伝子治療導入において、サイトカイン類(IL1B, IL6, IL8, IL10など)と血管新生誘導因子類の測定により、癌細胞のミトコンドリア損傷---ミトコンドリアDNA酸化(apoptosis)---NLPR3インフラマソーム活性化---IL1BやIL18分泌---Th1型の炎症反応(癌細胞の生存・増殖)にみられる治療抵抗性誘導の可能性が疑われた。DNA解析による腫瘍遺伝子変異パターンと治療反応性の差異は本研究では見られなかった。
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