研究課題/領域番号 |
15K10039
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
剣持 敬 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50215133)
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研究分担者 |
長谷川 みどり 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40298518)
日下 守 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40309141)
會田 直弘 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (40750500)
伊藤 泰平 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (60509701)
外山 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90247643)
市原 隆 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (90527748)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 生体腎移植ドナー / 分腎機能 / ダイナミックCT / イヌリンクリアランス |
研究実績の概要 |
今年度当院で実施した生体腎移植症例のうち,本研究の開始後,同意の得られた5例の生体腎移植ドナーについて,術前に腎ダイナミック造影CTを施行し,分腎機能(GFR)を算出した.本研究のデータ(GFR)について,現在最も鋭敏とされるイヌリンクリアランス法を用いたGFRと比較検討した. 症例は男性3名,女性2名,年齢は40代~70代,身長161±11.2㎝,体重64±13.3kg であった.撮像には東芝製320列CT装置(Aquilion ONE)を使用し,造影剤としてイオパミロン370またはイオメロン350を用いた.腎血漿流量測定のためのダイナミック撮影は,造影剤注入開始後8秒~30秒まで2秒間隔で撮像した.造影剤注入量は90~128㏄,注入速度は3.5~5.0ml/秒で,全例有害事象は認めなかった.CT画像上で腎皮質にROIを設定し,血管を除いて腎皮質内のみk3を積分しGFRとした.各症例の両腎合計GFRは,造影CT(K3積分値)では,121.2,107.2,35.8,93.8,140.1ml/minで,イヌリンクリアランスでのGFRは各々,103.3,91.1,61.8,84.6,150.5ml/minであった.両者のGFRには強い相関(y = 1.0591x - 4.4249,R² = 0.7722)が認められた. 腎ダイナミック造影CTでは,造影剤により血流動態が可視化され,局所の腎血流が把握できるのみでなく,糸球体濾過率(GFR)の測定が可能であった.すなわち,生体腎移植ドナーの腎機能検査として必須である分腎機能の評価が可能であることが示された.また両側腎機能の評価としての左右GFRの計は,イヌリンクリアランス法を用いたGFRと強い相関が得られたことより,左右の相対的評価のみならず,全腎機能も評価し得ると考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の目的である,生体腎移植ドナーの術前の正確な分腎機能の評価に関して,左右別々にGFRが測定できることが明らかとなったこと,イヌリンクリアランス法により得られた全腎機能と極めて高い相関を示したことより,本課題の臨床応用の可能性が高いと推測された.しかし,当初は10例以上の症例を想定していたが,研究開始の時期が若干遅れたことより5例のみとなったため,今後症例を積んで検討する.
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今後の研究の推進方策 |
現在の検討をさらに症例を積み重ね,解析する.またイヌリンクリアランスとの相関のみでなく,24時間クレアチニンクリアランス,eGFRとの相関についてもけんとうする.また分腎機能については,CTによる左右腎のVolumetryとの関係についても解析し,本研究課題によって得られる分腎機能の評価の有効性をさらに検討してゆく.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は,データ解析のためのコンピューター,ソフトの購入が遅れたため,旅費及び学会参加費のみの支出となったため.
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次年度使用額の使用計画 |
データ解析のためのコンピューター,ソフトの購入に加え,データ解析に伴う事務費用を計上する.
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