研究課題/領域番号 |
15K10042
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
辻本 広紀 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医療安全・感染対策部, 教授 (80554998)
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研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 分子生体制御学, 准教授 (10449069)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 助教 (30531636)
平木 修一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 外科学, 助教 (40638839)
青笹 季文 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 外科学, 講師 (40649034)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 光線力学療法 / 胃癌 / 腹膜播種 / リンパ節転移 |
研究実績の概要 |
胃癌に特徴的な転移進展形式として腹膜播種が挙げられるが、それに対する有効な診断法と治療法は確立されていない。また切除不能な部位でのリンパ節転移に対する治療も化学療法が主体となるが、極めて有効とは言いがたい。申請者はこれまでに、新規ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)型超分子デバイスを用いた光線力学的診断・治療により、見張りリンパ節や腹膜播種巣に対する革新的な診断・治療技術を構築してきた。生分解されるPEGを用いてインドシアニン・グリーンを内包したミセル化に成功し、これらを30-50nmに調整し、EPR効果による腫瘍に選択的に集積する特徴を有する。 そこで本研究ではこれらの治療技術の臨床応用を視野にいれ、腹腔鏡を用いた光線陸学療法という斬新な治療システム開発に向けて研究を行ってきた。 申請者らはこれまで見張りリンパ節転移、腹膜播種に対する光線力学療法をマウスにおいて実験をしてきた。しかしマウスでは腹膜播種に対するin vivoの実験には限界があり、本研究の臨床応用を視野に入れた腹腔鏡を用いた検討はできなかった。そこで申請者らは、モデルの種類をラットに置き換えることで、ヒト用腹腔鏡セットを用いた研究に成功した。 今回の研究では、ラット腹膜播種モデルに対して、ヒト用腹腔鏡システムを用い、播種巣の光線力学的診断、および光線力学療法による治療を行い、その効果を腹腔鏡で観察するシステムを構築しようと試みている。 これらの有効性がラットで示せれば、腹腔鏡による腹膜播種診断及び治療の臨床応用への可能性が示せる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
著者らはラット腹膜播種転移モデルを確立し、それに対する腹腔鏡下光線力学療法の手技を確立した。今後はそれらを用いた実際の治療や観察を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように手技的に腹腔鏡下光線力学療法が可能となったことから、実際に治療を行い、その成績を蓄積していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究費として抗体価格及び使用料が計画よりも少なかったため。また国際学会に参加予定であったが、業務の都合で取りやめになったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に理想的なモデルの確立に成功したため、次年度にはこれらを用いた研究を精力的に行う予定であり、それらの結果を国内外に多く発信する予定。
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