研究課題/領域番号 |
15K10044
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野路 武寛 北海道大学, 大学病院, 助教 (10739296)
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研究分担者 |
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
中村 透 北海道大学, 医学研究院, 助教 (70645796)
岡村 圭祐 北海道大学, 大学病院, 助教 (90724401)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | 近赤外線蛍光イメージング / 肝門部領域胆管癌 / リンパ節転移診断 / 腹膜転移モデル |
研究実績の概要 |
研究1.インドシアニングリーン(ICG)を蛍光物質として用いた近赤外線蛍光イメージングを用いた肝門部領域胆管癌のセンチネルリンパ節転移診断を確立する目的に本研究を行った。期間中に前向き臨床研究を施行し47例の症例を検討した。先行研究にて設定した5mg/mlのICG0.5mlを局注し、肝十二指腸間膜内リンパ節(HDLN)・大動脈周囲リンパ節(PAN)の描出部位・描出率を検討した。 結果:HDLの描出部位は胆管周囲(12b)・膵頭部周囲(13a)であり、描出率は69%であった。PANの描出部位は腎静脈周囲(16a2 inter, 16b1 inter)であり、描出率は69%であった。HDLおよびPAN描出の有無に関して、臨床病理学的項目・術前状態などについて検討を行ったが、描出の有無を層別化する項目は抽出されなかった。 本研究からICGを用いた近赤外線イメージングによるによるHDLおよびPANのリンパ節描出は可能であることが明らかになったが、投与濃度・量についての再検討を要することも明らかになった。目標とする肝門部領域胆管癌のセンチネルリンパ節転移診断を行うための、基礎条件を設定した。 研究2.胆道癌に対して5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた蛍光診断(特に肝転移巣と腹膜転移巣)が施行可能であるかどうか検討した。ヒト胆道癌細胞株に5-ALAを投与し、蛍光が得られる事を確認した。次にマウス胆道癌皮下腫瘍モデル・腹膜転移モデル・肝転移モデルを作成し、5-ALAを投与し、観察を行った。いずれのモデルにても5-ALAを用いた存在診断は可能であり、ヒト胆道癌において、5-ALAを用いた癌存在診断は可能であることを示した。
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