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2017 年度 実績報告書

リンパ球運動能亢進の機序解析と免疫療法効果予測バイオマーカーとしての意義の検証

研究課題

研究課題/領域番号 15K10055
研究機関九州大学

研究代表者

森崎 隆  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90291517)

研究分担者 大西 秀哉  九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
久保 真  九州大学, 大学病院, 講師 (60403961)
今泉 晃  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30624051)
山崎 章生  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80404440)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード活性化リンパ球 / 運動能 / 増殖能 / 細胞傷害活性 / 免疫療法 / バイオマーカー
研究実績の概要

前年度までの研究で、候補遺伝子Xが、免疫療法効果予測バイオマーカーとなり得るのみならず、リンパ球活性化のための標的分子となり得る可能性を得たので、さらに研究を継続して行った。候補遺伝子Xは活性化リンパ球に発現し、活性化前のリンパ球には発現が極めて低いことが分かった。また、活性化前リンパ球に分子X shRNAを導入して、分子Xを抑制しても、リンパ球の増殖・運動能・傷害活性に変化は認められなかった。このことから、分子X抑制治療を開発した時、これは活性化リンパ球のみに作用し、活性化前リンパ球には作用せず、副作用が少ない可能性が示唆された。また、リンパ球活性化もIL-2のみでは分子Xは発現亢進しないが、CD3シグナルを介した活性化で分子X発現が亢進することがわかった。生体内では樹状細胞から抗原提示を受けてリンパ球が活性化されることが想定されているが、vitroの系でもCD3抗体を用いた刺激なしでも、樹状細胞との共培養で分子X発現が亢進してくることが確認できた。in vitroでは、活性化リンパ球の分子X発現をshRNAを用いて抑制することにより、リンパ球の増殖・運動能・傷害活性化が亢進することが再現性をもって確認できた。さらに、免疫不全マウスに腫瘍形成させた治療実験においても、活性化リンパ球の分子X発現をshRNAを用いて抑制することにより、抗腫瘍効果は有意に増強することが分かった。マウスに形成された腫瘍を免疫染色してみると、分子Xを抑制したリンパ球投与群で腫瘍浸潤CD8陽性リンパ球数が有意に亢進しており、腫瘍抑制効果が腫瘍浸潤リンパ球数の増加によるものであることが示唆された。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Stage IV gastric cancer successfully treated multidisciplinary therapy including immunotherapy: a case report2017

    • 著者名/発表者名
      Kawamoto M, Onishi H, Koya N, Konomi H, Mitsugi K, Tanaka R, Motoshita J, Morisaki T, Nakamura M
    • 雑誌名

      Surgery Case Rep

      巻: 3(1) ページ: 112

    • DOI

      10.1186/s40792-017-0380-5.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 患者さんを見据えた全人的癌治療―低酸素環境とHedgehog Signal―2017

    • 著者名/発表者名
      大西秀哉、荻野利達、森崎 隆、片野光男
    • 雑誌名

      癌と化学療法

      巻: 44 ページ: 977-980

    • 査読あり
  • [学会発表] 患者さんを見据えた全人的膵癌治療:低酸素環境とHedgehog signal2017

    • 著者名/発表者名
      大西 秀哉
    • 学会等名
      第38回 癌免疫外科研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 全人的治療を考慮した膵癌に対するHedgehog阻害治療の開発2017

    • 著者名/発表者名
      大西 秀哉、山崎 章生、大山 康博、川元 真、中村 雅史
    • 学会等名
      第72回 日本消化器外科学会総会
  • [学会発表] 癌特異的な免疫監視機構の構築により良好な経過を得ているstage IV胃癌の1例2017

    • 著者名/発表者名
      川元 真、森崎 隆、大西秀哉
    • 学会等名
      第72回 日本消化器外科学会総会
  • [学会発表] びまん性大細胞型B細胞リンパ腫における腫瘍浸潤CD8+Tリンパ球の解析2017

    • 著者名/発表者名
      村橋睦了、浜名洋、岸裕幸、山口類、宮野悟、緒方久修、岡崎利彦、宮本将平、谷健三郎、大西秀哉、高松泰、中西洋一
    • 学会等名
      第9回 血液疾患免疫療法学会
  • [学会発表] 活性化リンパ球のrandom migration能は癌免疫療法の効果予測因子となりうる2017

    • 著者名/発表者名
      川元 真 大西秀哉 山崎章生 森崎 隆 村橋睦了 緒方久修 中村雅史
    • 学会等名
      第23回 国際個別化医療学会学術集会
  • [学会発表] 抗PD-1抗体が著効した切除不能上顎洞癌の一例2017

    • 著者名/発表者名
      藤村晶子、古後龍之介、森崎 隆、中川尚志、大西秀哉
    • 学会等名
      第30回日本バイオセラピィ学会学術集会総会
  • [学会発表] 抗PD-1抗体が著効した切除不能上顎洞癌の1例2017

    • 著者名/発表者名
      山崎章生、大西秀哉、藤村晶子、川元真、森崎隆
    • 学会等名
      第21回バイオ治療法研究会学術集会
  • [備考] 九州大学大学院医学研究院 腫瘍制御学分野ホームページ

    • URL

      http://www.tumor.med.kyushu-u.ac.jp/

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公開日: 2018-12-17  

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