研究課題/領域番号 |
15K10056
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
新田 吉陽 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 医員 (20725733)
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研究分担者 |
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 癌細胞可視化 |
研究実績の概要 |
①gGlu-HMRGを用いた術中の乳癌細胞検出の実臨床応用へ向けて:これまでの研究ではNIHが開発した蛍光検出器を使用したが、これは市販されておらず数に限りがある。しかし実臨床応用に向けては、流通している機器を用いた検出が必要と考える。そのため米国Indec社の蛍光検出機器である「Discovery」を用いて現在、乳癌のgGlu-HMRG蛍光を再測定している。また、試薬の適正濃度を決定するために種々の濃度でのgGlu-HMRGを用いて蛍光実験を行っている。 ②GGT蛋白質発現の癌に関する生物学的意義に関して:GGT蛋白は細胞内のグルタチオン代謝に関連する蛋白質として知られている。GGT代謝で多いほど細胞内グルタチオン濃度が増すと考えられる。一方グルタチオンは細胞内のスカベンジャーとして知られており、細胞内の活性酸素を除去する、すなわち酸化ストレス耐性を増すことになる。そのためGGT蛋白の発現がジェムザールなどの酸化ストレスを介した抗癌剤用を持つ抗癌剤の耐性に関連する可能性が高い。そのため酸化ストレスに関連する蛋白質との発現の関連を実験中である。 ③GGT蛋白発現に関するゲノム・エピゲノム解析に関して:GGT蛋白発現の有無と乳腺腫瘍の良性/悪性との関連を明らかにするため、GGT蛋白発現のある/なしと良性/悪性の乳腺腫瘍の4パターンでの検体を集積中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床応用に向けての準備、実際のサンプルを用いた再検証を行っており、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
GGT蛋白の臨床的意義についてさらに検証する必要があり、現在実験系について考慮を重ねている。
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