研究課題/領域番号 |
15K10057
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
村上 敬一 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (20530124)
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研究分担者 |
岩瀬 弘敬 熊本大学, その他の研究科, 教授 (40211065)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 転移乳癌 / エストロゲン療法 / 逐次内分泌療法 |
研究実績の概要 |
乳癌の70-80%はestrogen receptor (ER)を発現し、エストロゲンがERに結合することでエストロゲン依存性に増殖する。そのためエストロゲン枯渇を目的とした内分泌療法は乳癌の有効な治療法であるが、この治療を長期間施行された患者の多くが耐性を獲得し腫瘍増大を認める。逆説的に、このような内分泌療法耐性患者にエストロゲン(エチニルエストラジオール)を投与すると腫瘍縮小を認めることがある1)。しかし、このエスロトゲン付加療法の分子メカニズムや適応の詳細は未だ不明である。 本研究では、エストロゲン付加療法を受けた乳癌例の治療前後の腫瘍ならびに血液サンプルの遺伝子発現や変異の解析を通して、内分泌療法耐性乳癌において新規治療となりうるエストロゲン療法の分子メカニズムの解明ならびに治療効果を予測する因子の解明を目指す。
① エストロゲン療法症例、および転移巣、血液の蓄積:現在、2つの臨床試験を行っており、順調に症例が蓄積している。 ② エストロゲン使用症例の血液を用いた予測因子の解析:様々な内分泌療法施行症例に対し、投与前の血液、できれば転移病巣の生検を行い、ctDNAによる、リキッドバイオプシーを試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「内分泌療法抵性乳癌に対する逐次内分泌療法後のエチニルエストラジオール治療の臨床試験」(UMIN000002831)をまとめるために症例を蓄積し、各々の症例に関して年齢等の患者情報や腫瘍の病理学的特徴ならびに治療に対する反応性の情報を収集する。臨床情報収集にあたっては患者同意をえた上で、倫理委員会承認をもって行う。また治療による副作用にも留意し情報収集を行う。特に子宮や血液凝固に与える影響を想定されるため、安全性については情報収集元の熊本大学から、各研究協力者の施設に逐一情報を届け、患者へ不利益がもたらされないような体制の上行う。前半に中間解析として報告会を開催し、データの信頼性、安全性情報について確認する予定である。
さらに現在、「エストロゲン療法に抵抗性となった閉経後転移乳癌におけるアロマターゼ阻害薬とフルベストラントの有用性の比較検討」(UMIN 000013890)にて臨床試験を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
以下の二つの臨床試験で蓄積された、臨床病理学的な解析と、効果予測因子の解析を試みる。 ① エストロゲン療法症例、および転移巣、血液の蓄積 現在、2つの臨床試験を行っており、順調に症例が蓄積している。 ② エストロゲン使用症例の血液を用いた予測因子の解析 様々な内分泌療法施行症例に対し、投与前の血液、できれば転移病巣の生検を行い、ctDNAによる、リキッドバイオプシーを試みている。 現在のことろ、特にエストロゲン療法に関わらずに、内分泌療法を行った症例の血液から、cell free DNAの中でESR1(エストロゲンレセプターの遺伝子)を解析しており、この応用が最も期待できる。
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