研究課題/領域番号 |
15K10058
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
阿部 宣子 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30622336)
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研究分担者 |
岡山 洋和 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20583397)
大竹 徹 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50363750)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 乳癌 / 糖鎖 |
研究実績の概要 |
近年、当研究室において、糖鎖抗原MECA-79発現が胃癌の予後不良および遠隔転移に有意に関連することを報告した。MECA-79の構造的・機能的特徴からは、多くの固形癌に普遍的な腫瘍マーカーとなり得る可能性が示唆される。またL-セレクチンとの接着により転移を促進することを推測している。本研究では、主要な固形癌であり、糖鎖マーカーも日常臨床で頻用されている乳癌において、MECA-79の臨床的意義を手術摘出標本を用いて免疫組織化学的に検討し、また乳癌培養細胞株を用いてMECA-79のL-セレクチンとの接着能、およびMECA-79抗体による接着機能阻害を検討する。従って、新規の癌バイオマーカーとして、また新規癌治療標的としての可能性を追求するものである。 乳癌切除検体に対し免疫染色を用いてMECA-79発現を検討中である。当研究室で保有している乳癌約100例のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片を用いており、必要に応じて順次症例の拡大を考慮している。検討途中の段階ではあるが、一部の標本において、癌細胞の細胞膜あるいは細胞質に発現が認められている。並行して統計学的な検討を進めている。 乳癌細胞株においても、フローサイトメトリーなどを用いて細胞表面のMECA-79発現の有無やそのレベルを検討中である。またMECA-79生合成において中心的な糖転移酵素群についても検討を準備しており、ノックダウン実験なども計画段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞実験手技の確立に時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
臨床サンプルを用いた解析と細胞実験を並行して進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費を計上していたが使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の物品費に使用する。
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