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2016 年度 実施状況報告書

乳癌ホルモン療法の効果・耐性化に関連する血中微量ステロイドホルモンの探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K10059
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

佐治 重衡  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80446567)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード乳癌 / ホルモン療法 / 蛋白分解
研究実績の概要

・昨年度に引き続き、メカニズム探索のための細胞実験を中心に研究を実施した。ホルモン療法の耐性化に関連する膜レセプターとしてHERファミリーの存在が知られているが、このうちのHER3のタンパク質分解機構に関して女性ホルモンであるエストラジオールが促進的に作用することを見いだした。またプロテアソーム阻害剤 エポキソマイシンやライソソーム阻害剤クロロキンなどを用いた分解経路阻害実験から、HER3の定常状態での分解はユビキチンプロテオソーム経路によっておこなわれていると判断されるが、この分解機構にエストロゲン受容体(ER)が直接的に関与する可能性を示唆するデーターを得ている。これまで、ホルモン陽性乳癌細胞におけるHER3とERの相互作用に関しての研究報告は少なく、ホルモン療法耐性化におけるこの機構の関与も含めて、今後の研究を継続していく。これらの成果については、2017年度の日本乳癌学会総会、および日本癌学会総会において発表する予定である。

・本研究の目的の一つである、患者検体を用いたトランスレーショナルリサーチとしては、ホルモン陽性転移性進行乳癌を対象にした臨床試験JBCRG M04試験(1次登患者数160名)における附随研究として実施している、患者血液検体集積については、2017年4月時点で366本の血漿サンプルが参加施設より回収、蓄積されている。試験治療継続中の今後の集積分を加えて最終的には約450本のサンプルが次年度以降の測定対象となる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画立案時の患者検体解析スケジュールからは外れているものの、本年度はメカニズム研究においての進捗が予定をこえるスピードで得られており、全体としては予定どおりの進捗と判断した。将来の解析対象になる患者血漿サンプルは予定どおり集積できている。

今後の研究の推進方策

実験環境が整備され、共同研究施設との連携も継続的に実施しており、研究推進環境としては問題ないと考えている。患者検体での検証を最終年度である来年度で実施できるかについてはまだ不確定な部分があるが、次年度以降の外部資金の獲得への準備もおこない、継続的な研究が実施できるよう務めていく。

次年度使用額が生じた理由

おおよそ予定通りの予算執行ができているが、試薬等の選定で経済的なものを購入できたことなどから当初計画より支出を抑えることができたため。

次年度使用額の使用計画

来年度は成果の発表を伴う学会報告を予定しており、旅費などの執行もおこなう。外注検査費用として計上していた予算については、今後の研究進捗状況にあわせて判断していく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Molecular diagnostics for precision medicine in breast cancer treatment: what does the future hold?2016

    • 著者名/発表者名
      Saji S, Kimura-Tsuchiya R, Sasaki E.
    • 雑誌名

      Breast Cancer

      巻: 23 ページ: 1-3

  • [雑誌論文] Clinical significance of the expression of autophagy-associated marker, beclin 1, in breast cancer patients who received neoadjuvant endocrine therapy2016

    • 著者名/発表者名
      Ueno T, Saji S, Sugimoto M, Masuda N, Kuroi K, Sato N, Takei H, Yamamoto Y, Ohno S, Yamashita H, Hisamatsu K, Aogi K, Iwata H, Imoto S, Sasano H, Toi M.
    • 雑誌名

      BMC Cancer

      巻: 16 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s12885-016-2270-9.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] From ER to ER, History and future of hormone dependent breast cancer research2017

    • 著者名/発表者名
      Shigehira Saji
    • 学会等名
      International Cancer Research Symposium
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2017-02-17 – 2017-02-18
    • 招待講演
  • [学会発表] Mechanism of endocrine therapy resistance: How to overcome ?2016

    • 著者名/発表者名
      Shigehira Saji
    • 学会等名
      68th Congress of The Korean Surgical Society
    • 発表場所
      Seoul
    • 年月日
      2016-11-03 – 2016-11-05
    • 招待講演
  • [学会発表] Overcoming endocrine therapy resistance in breast cancer, a cat and mouse game?2016

    • 著者名/発表者名
      Shigehira Saji, Reiko Kimura, Eisaku Sasaki
    • 学会等名
      第14回日本臨床腫瘍学会学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2016-07-28 – 2016-07-30

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公開日: 2018-01-16  

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