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2015 年度 実施状況報告書

間質応答を利用した乳癌治療の効率化

研究課題

研究課題/領域番号 15K10067
研究機関杏林大学

研究代表者

上野 貴之  杏林大学, 医学部, 講師 (40452362)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード間質応答 / オートファジー / 抗癌治療 / エネルギー代謝
研究実績の概要

アロマターゼ阻害剤による内分泌療法により、癌細胞にオートファジーが誘導され、さらに治療前に間質のオートファジーが誘導されている症例では、癌細胞が高増殖能を示し、臨床的にも病理学的にも治療反応性が低いことにつき報告し、論文化した(Ueno T et al. BMC Cancer. 2016;16(1):230)。
術前化学内分泌療法(アロマターゼ阻害剤+経口エンドキサン)の臨床試験サンプルを用い、治療前後におけるオートファジーの変化、アポトーシスの変化につき解析した。またER, PgR, Ki67の共染色により、それぞれのマーカー相互間の発現の関連性につき解析した。
すでに終了した臨床試験(JFMC34)の検体を用いてオートファジーが誘導されることを見出したが、それが細胞生存、細胞死のどちらに関与しているかを調べるため、オートファジーの誘導と生存期間の関連につき解析した。
以上の結果を細胞レベルで確認し、さらにそのメカニズムを明らかにするため、両面培養可能なcollagenスポンジ(Atelocollagen)を用いた培養系を確立し、報告した(Biomed Res Int. 2015;2015:960840)。乳癌細胞と線維芽細胞を用いた両面の共培養システムを用い、ホルモン枯渇に対する治療反応性の変化や、線維芽細胞にオートファジーを誘導した場合の癌細胞の治療反応性の変化につき、現在検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床試験の検体を用いた解析については、予定通り検体の回収が進み、また染色等の解析についてもおおむね予定通り進んでいる。
予後との関連については、予後調査がほぼ予定通り進み、現在解析を行っている。
細胞培養に関しては、培養系に関する論文が完成し、またその培養系を用いた実験が現在予定通り進行している。

今後の研究の推進方策

臨床試験サンプルを用いた検討では、各臨床試験のサンプル数に限りがあるため、同様の術前内分泌療法を行った臨床試験のサンプルを収集し、より意義の高い臨床データとすることを目指す。
細胞培養においては、条件検討など初期の検討に時間がかかるため、同様の研究を中心に行っているラボと共同研究体制を組み、よりスムースにシステムの構築が進む様にする。

次年度使用額が生じた理由

細胞培養につきシステムを確立した段階のため試薬等が最小限の支出であったが、今後試薬等の費用が発生するため。
論文掲載料につき請求の時期がずれており、掲載料の請求が次年度になっているため。

次年度使用額の使用計画

細胞培養試薬
論文掲載料の支払い

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Clinical significance of the expression of autophagy-associated marker, beclin 1, in breast cancer patients who received neoadjuvant endocrine therapy.2016

    • 著者名/発表者名
      Ueno T, Saji S, Sugimoto M, Masuda N, Kuroi K, Sato N, Takei H, Yamamoto Y, Ohno S, Yamashita H, Hisamatsu K, Aogi K, Iwata H, Imoto S, Sasano H, Toi M
    • 雑誌名

      BMC Cancer

      巻: 16 ページ: 230

    • DOI

      10.1186/s12885-016-2270-9.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Characteristic gene expression profiles of human fibroblasts and breast cancer cells in a newly developed bilateral coculture system.2015

    • 著者名/発表者名
      Ueno T, Utsumi J, Toi M, Shimizu K
    • 雑誌名

      Biomed Res Int.

      巻: 2015 ページ: 960840

    • DOI

      10.1155/2015/960840

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Analysis of in situ expression of hormone receptors and proliferation marker at a single cell level in breast cancer tissues2015

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Ueno, Hirotsugu Isaka, Hiroki Itoh, Kentaro Imi, Kaisuke Miyamoto, Manami Kitamura, Shigeru Imoto
    • 学会等名
      3rd International Conference of Federation of Asian Clinical Oncology
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2015-10-29 – 2015-10-31
    • 国際学会
  • [学会発表] ER陽性乳癌組織におけるER発現とKi67発現の腫瘍内heterogeneityの解析2015

    • 著者名/発表者名
      上野貴之、伊東大樹、伊美建太郎、宮本快介、北村真奈美、井本滋
    • 学会等名
      第23回日本乳癌学会学術総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-07-02 – 2015-07-04
  • [学会発表] pCR再考2015

    • 著者名/発表者名
      上野貴之
    • 学会等名
      第23回日本乳癌学会学術総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-07-02 – 2015-07-04
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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