研究課題/領域番号 |
15K10070
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
吉田 美和 昭和大学, 医学部, 講師 (30556098)
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研究分担者 |
榎戸 克年 昭和大学, 医学部, 講師 (70596056)
高丸 智子 昭和大学, 医学部, 講師 (00404624)
明石 定子 昭和大学, 医学部, 准教授 (60523199)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 乳癌術前化学療法 / 画像融合機能 / 乳房超音波 |
研究実績の概要 |
【目的】本研究では、乳癌術前化学療法 (Neoadjuvant chemotherapy; NAC) 後の乳房温存手術において、画像融合機能搭載超音波ナビゲーションを用いて切除範囲を決定し、適切に切除範囲を決定できたかどうかを検証した。【対象】2015/8月-2018/6月初診の原発性乳癌症例のうち、乳房切除範囲の縮小を目的としてNACを施行し、NAC後に乳房温存手術を行った27例【方法】NAC前にマンモグラフィ・乳房超音波・乳房造影MRI(腹臥位)に加えて、乳房造影CT(仰臥位)を施行。NAC完遂後、総合的な画像評価により温存可能と判断し、かつ本人も温存を希望した症例で乳房温存手術を選択。術前に画像融合機能搭載超音波装置を用いて、リアルタイムの超音波画像とその断面に一致するNAC前のCT画像とを同期させ、同一モニターに描出しながらスキャンを行い、まず、NAC前の腫瘍進展範囲を体表面で特定したのち、NAC前の腫瘍進展範囲内でNAC後の残存腫瘍を特定し、乳房切除範囲を決定した。【結果】NAC前のMRI上の最大腫瘍径中央値42mm、NAC後の切除標本上の浸潤径中央値3mm・腫瘍径中央値7.5mmであった。27例中1例はpSDで、画像融合機能を使わずに超音波による切除範囲の決定が容易に可能、腫瘍が縮小または消失した26例では1例を除き、画像融合機能搭載超音波ナビゲーションにより切除範囲を決定することができた。乳房温存術後切除断端陽性は2例で、いずれも断端上に認めた腫瘍はごく微小なものであった。【結論】乳癌NAC後の乳房温存切除範囲の決定に際して、画像融合機能搭載超音波ナビゲーションはNAC前および NAC後の腫瘍情報を簡便に体表面に反映できる点で有用であり、特にNAC後に腫瘍が完全に消失した症例や不明瞭となった症例において、適切に切除範囲を決定できる可能性がある。
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