研究課題
家族性乳癌の原因遺伝子BRCA1に変異があると80%の確率で乳癌に、40%の確率で卵巣癌なる。他の癌との関連ははっきりしていない。このことからBRCA1の変異と発癌にはエストロゲンの関与が強く疑われる。本研究は癌発症の最初期は腺菅構造の乱れ、つまり管腔構造を構成するべく上皮細胞の分裂方向は横方向に向かうはずであるが、癌は縦方向、すなわち管腔内、外への増殖をおこすところに着目して分裂方向の規則性とエストロゲン、BRCA1との関連を明らかにするものであった。これが明らかになると、癌の治療だけでなく予防方法の確立にもつながる。元来BRCA1変異は予後不良のbasal-like乳癌と関連があり、この予後不良乳癌の治療、予防という観点からも重要である。方法としてはbioinformaticsで腺菅構造に影響を与える因子の同定を目指しているが、はっきりとした因子の同定には未だ至っていない。しかし本検討により、BRCA1関連予後不良乳癌であるbasal-like乳癌の予後良好因子を発見し論文発表した(International Journal of Innovative Research in Medical Science 2017;2:1031-1036)。また同予後不良乳癌の予後不良因子も同定し、さらにこの予後不良乳癌に対する効果的治療方法も確立し、現在検討中である。この結果は国際学会(World Congress on Cancer Research & Therapy, DoubleTree by Hilton San Diego Hotel Circle)で発表し、結果がまとまり次第論文発表する予定である。腺菅構造の異常発症機序は引き続き検討し、結果がまとまり次第論文及び国際学会で発表する予定である。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
International Journal of Innovative Research in Medical Science
巻: 2 ページ: 2455-8737
10.23958/ijirms/vol02-i07/15
巻: 2 ページ: 1031-1036
Oncotarget
巻: 8 ページ: 99601-99611
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