閉経後に発症するエストロゲン受容体(ER)陽性乳癌のホルモン療法ではエストロゲン代謝酵素アロマターゼの阻害剤が奏効するが、3分の1では耐性を獲得することが課題となっている。本研究では治療と同様にエストロゲンレベルを低下させるため、卵巣を摘出した免疫不全SICDマウスにER陽性ヒト乳癌細胞株MCF-7を移植し、長期飼育後in vivo で生じた腫瘍からAI耐性モデル細胞14株を樹立した。ERの発現は3株では陰性化し、11株では高発現を認め、遺伝子発現やmiRNA発現の網羅的な解析および乳癌幹細胞マーカーの発現解析からAI耐性機序は一様でないことを明らかにした。次治療の選択への鍵となる。
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