研究実績の概要 |
①食道癌のパクリタキセル耐性株(RTE-1P)および親株(TE-1)から、MirVana miRNA Isolation kitを用いて、micorRNAを抽出した(2サンプルずつ)。その後、AgilentのSurePrint G3(Human v16) microarray kitを用いて、網羅的なmicroRNAの発現解析を行った。GeneSpring softwareを用いて、T Test (unpaired)により、有為に変化しているマイクロRNA9種類を同定した(miR-146b-5p,miR-32, miR-362-3p, miR-503, miR-517a, miR-517c, miR-521, miR-9, miR-99a)。 ②樹立したタキサン耐性株は、ABCB1蛋白が高発現していることがわかったため、ABCB1の発現に、エピジェネティック修飾が関連しているかどうか検討した。ABCB1のプロモーター領域のCpGアイランドのメチル化の状態をバイサルファイトシークエンスにて調べたが、親株および耐性株で有意な差が認められなかった。また、ABCB1の発現に対するDNMT阻害剤やHDAC阻害剤の影響も限定的であった。ABCB1の発現の制御の機構については、今後さらに検討する必要があると考えられた。③頭頸部がん患者の血清からエクソソームを抽出し、シスプラチン感受性予測因子miR-34aの定量を試みたが、いずれも検出感度以下であった(4例)。
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