研究課題/領域番号 |
15K10086
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山口 博紀 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20376445)
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研究分担者 |
石原 聡一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00376443)
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
須並 英二 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (70345205) [辞退]
渡邉 聡明 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80210920)
石神 浩徳 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80372382)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 胃癌腹膜播種 / バイオマーカー / 遺伝子診断 |
研究実績の概要 |
本研究の意義は、腹腔洗浄液中のCEA mRNA を定量することにより、腹膜播種病変のモニタリングを可能とすることである。画像診断ではもちろん、病理学的にも診断することのできない癌細胞をミクロレベルで正確に把握することにより、胃癌腹膜播種に対する腹腔内化学療法の効果判定の新たなモダリティーに、ひいては、適切な時期に適切な治療法を選択する際に必要とされる腹膜播種病変における新規バイオマーカーとしての活用を目指している。 平成27年度の研究計画では、全国多施設より初回の審査腹腔鏡時および化学療法の各コース開始時に腹腔洗浄液を採取し、各施設においてmRNAの抽出保存操作を行い冷凍保存し、定期的に東京大学に低温輸送し21検体について保存を行ったが、平成28年度の研究代表者の異動により、さらなる検体の集積が困難となった。このため、東京大学にて腹腔内化学療法を行った68症例より得られた1268検体の腹腔洗浄液サンプルを対象として解析を行い、研究を遂行することとした。 平成28年度はこれら各腹腔洗浄液サンプル中のCEA mRNA および コントロールとしてのPBGD mRNA の定量測定を行った。また各症例の追跡調査も進めているところである。 腹腔内の癌細胞の状況をCEA mRNA 定量により経時的に正確に把握することにより、細胞診でも捉えることのできない腹腔内に存在する癌細胞をターゲットとし、腹膜播種の治療における新しいバイオマーカーを確立すべく研究をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
代表研究者の研究機関の異動のため、当初予定していた全国多施設からのサンプル集積が困難となった。このため、東京大学での症例よりサンプルを集積し、CEA mRNAの測定をすすめることに計画を変更した。研究目的の達成には十分なサンプル数が集積されており、データの解析をすすめているところである。
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今後の研究の推進方策 |
68症例から得られた1268検体のCEA mRNAの定量を行い、各症例の臨床病理学的データと比較検討することにより、胃癌腹膜播種治療における新規バイオマーカーとしての確立を目指す。再発率や生存率への影響を得るために、漏れの無い症例の予後調査が今後の課題となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に予定されていた、多施設よりサンプルを収集するための費用が研究計画の変更のために不要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度には、東京大学にて得られたサンプルの1268検体において遺伝子定量を実施する。症例の予後調査を実施する。集積されたこれらデータの解析を行う。また研究成果について論文発表および海外・国内での学会発表する。
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