研究課題/領域番号 |
15K10097
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所) |
研究代表者 |
宮田 博志 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (80362713)
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研究分担者 |
杉村 啓二郎 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (00571374)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 食道癌 / 化学療法 / オートファジー / マイトファジー / 治療抵抗性 |
研究実績の概要 |
食道癌切除症例254例(術前化学療法159例、術前治療なし95例)を対象として、オートファジーマーカーであるLC3とミトコンドリア・オートファジーであるマイトファジーのマーカーであるPink1の免疫染色を行って、それらの発現と化学療法感受性を含めた臨床病理学的因子との関係を調べた。LC3発現は腫瘍深達度、リンパ節転移、化学療法の有無を含めたいずれの臨床病理学的因子との関連も認めなかった。一方、Pink1は、リンパ節転移あり症例、術前化学療法施行症例で有意にPink1高発現が多かった。LC3とPink1発現と予後との関連を調べると、全254例ではいずれもそれら発現と予後との関連を認めなかった。しかし、術前化学療法を施行した159例のみで解析を行うと、LC3発現は予後との関連を認めなかったが、Pink1についてはその高発現例は有意に予後不良であった。また術前化学療法を施行した159例で化学療法の効果とそれら発現との関連を調べると、LC3高発現、Pink1高発現症例ではいずれも有意に化学療法の効果が低かった。同159例において予後に関する多変量解析を行うと、PInk1発現は独立した予後不良因子であった。以上の結果より、オートファジーマーカーであるLC3とマイトファジーマーカーのPink1の発現は化学療法抵抗性に関連することが示唆され、特に、Pink1発現は術前化学療法施行症例の予後にも関連することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体を用いた解析は、ほぼ順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
臨床検体を用いた解析はほぼ終了し、その結果を踏まえて食道癌細胞株を用いたin vitro studyを施行予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の臨床検体を用いた解析が、予定よりも低コストで施行できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の食道癌細胞株を用いた実験に使用予定である。
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