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2017 年度 実績報告書

消化管間葉系腫瘍に対する分子標的治療薬耐性のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K10098
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 剛  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50452389)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードGIST / imatinib / 分子標的治療薬耐性
研究実績の概要

(背景・目的)消化管間質腫瘍(GIST)は、変異KITチロシンキナーゼを標的とした分子標的治療が開発導入され、目覚ましい成果を示した腫瘍である。一方使用に伴い、投与中止後の再燃が必発であり、治療の終了が困難である点といった臨床上の問題点が浮き彫りになってきた。さらには、イマチニブ奏功中に外科切除が行われた切除検体の詳細な検討の結果、viableな腫瘍細胞がごく少量ながらも残存しているといった病理所見を確認している。そのため、イマチニブ治療下のこういった残存腫瘍(dormancyな細胞)が治療終了を不可にしていると考えられ、こういった細胞を標的とした新規治療法の開発が重要である。
(結果)
①.培養GIST細胞株にイマチニブを暴露することで耐性性GIST細胞株を作成出来る②.イマチニブ暴露下のGIST細胞株は、初期には殆どが、アポトーシスが誘導され細胞死を生じるのに対して、dormancy細胞は増殖せず(Cell cycle解析でS期細胞は殆ど無い③.耐性細胞株では臨床サンプルと同様に、KIT遺伝子に二次遺伝子変異が生じ、KITのリン酸化の抑制化ができていない。
臨床サンプルを用いた検討においても同様に、イマチニブ投与後、効果の認める状態でGISTを切除し病理学的に検索すると、様々な程度に抗腫瘍効果が見られるが、アポトーシスを起こし硝子化変性した組織内に、必ず、散在性にKIT弱陽性の腫瘍細胞が確認された。則ち、チロシンキナーゼ阻害剤では腫瘍細胞は全滅を起こさず、この生き残った腫瘍細胞が後に耐性株になると推測される。
本研究では、GIST細胞株を用いて耐性耐性獲得のモデルを作成してきた。dormancyな細胞T117では、マイクロアレイ解析による発現解析は親株と異なる一方で、エキソーム解析による遺伝子変異解析ではほぼ差を認めず、epigeneticな違いが示唆される結果であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Genomic and transcriptomic analysis of imatinib resistance in gastrointestinal stromal tumors.2017

    • 著者名/発表者名
      Takahashi T, Elzawahry A, Mimaki S, Furukawa E, Nakatsuka R, Nakamura H, Nishigaki T, Serada S, Naka T, Hirota S, Shibata T, Tsuchihara K, Nishida T, Kato M.
    • 雑誌名

      Genes Chromosomes Cancer.

      巻: 56 ページ: 303-313

    • DOI

      10.1002/gcc.22438.

    • 査読あり
  • [学会発表] 消化管間葉系肉腫(GIST)に対する分子標的治療耐性メカニズムの検討2017

    • 著者名/発表者名
      高橋剛、黒川幸典、西田俊朗、廣田誠一、西垣貴彦、和田範子、田中晃司、宮崎安弘、 牧野知紀、山崎誠、中島清一、瀧口修司、森正樹、土岐祐一郎
    • 学会等名
      日本癌転移学会

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公開日: 2018-12-17  

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