胃癌をはじめとした固形癌に存在する低酸素領域は、HIF-1αを誘導し癌の悪性度(増殖能、浸潤能)亢進を惹起する。一方、低酸素ストレスにより生じた不良ミトコンドリアから発生するROSは、HIF-1αを安定化し癌の悪性度と関連することが分かっている。 通常、不良ミトコンドリアはミトコンドリア選択的オートファジー(マイトファジー)によって処理を受けるが、本研究は、スキルス胃癌において、マイトファジー機構が破綻しており、蓄積した不良ミトコンドリアからのROS産生が亢進することで、HIF-1αの誘導・安定化を惹起し癌悪性度が亢進することを証明した。
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