研究課題
Droplet digital PCR (ddPCR) を用いて胃癌再発患者を中心に治療モニタリングマーカーとして の臨床的有用性を検討した。 対象は30例の健常者、60例の胃癌患者とし、末梢血からの血液サンプルを採取した。胃癌患者については術前と、術後半年毎の血液サ ンプルから遊離DNAを採取した。HER2の参照遺伝子としてribonuclease RNA component H1 (RPPH1)を用いて、血漿HER2増幅はddPCRを 用いたHER2:RPPH1 ratio (HER2 ratio)で算出した。胃癌患者の中で再発を来した17例に関しては治療経過中の血漿HER2 ratioのdynamicsを検討した。血漿HER2 ratioは組織HER2ステータスとの有意な相関を認め (p < 0.001)、感度・特異度はそれぞれ0.733、0.933であった。術後モニタリンクが可能であった症例に関しては、組織HER2陽性例の4例において血漿HER2 ratioは治療効果と相関して推移する傾向を示した。組織HER2陰性例においては13例中7例において再発時のHER2 ratioが陽転化し、その後も継続的な上昇を示す傾向を認めた。血漿HER2が増幅している肝転移症例のHER2 IHC scoreの検討を計画し前向きに症例集積を試みたが、胃癌肝転移切除症例が少ないため症例集積が困難であった。血漿HER2増幅を認めていないが、経過中に肝転移を来し切除施行した症例5例の肝転移巣のIHC HER2 scoreを検討したがいずれも陰性であり、これらの症例については原発巣と転移巣との不一致を指摘することはできなかった。今後臨床応用に向けて更なる研究基盤の確立が必要である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Gastric Cancer
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