研究課題
平成27年度に多施設共同後ろ向き研究として654例の胃癌検体を集積した。集積した検体のうち当院の検体160症例を用いてPIK3CA変異とPI3K伝達経路関連タンパクの発現と再発率・生存率の関連について後方視的に検証した。その結果として、胃癌患者においてPIK3CA codon545,codon1047は低アリル頻度変異であるが,その変異クローンが予後に影響を及ぼす可能性は極めて限定的と考えられた.またPI3K伝達経路関連タンパクの中でp-AKTとPTENがともに独立した胃癌術後の予後予測因子である可能性が示唆された.TP53遺伝子コドン72DNA多型を解析し予後との関連を検討したが、明かな関連は認められなかった。また、NF-κB/JNK免疫染色は予定していた抗体が入手できず免疫染色は断念した。そこでNF-κBの活性化を惹起する慢性炎症の存在に発想を転換し、H. pyloriと予後との相関を検討したところH. pylori陽性症例において良好な予後を示す傾向が認められた。本研究はランダム化比較試験ではないことから、Propensity Score Matchingにより背景のバイアスを取り除いた新たな222例の解析セットを抽出した。Propensity Score Matchingにより、手術群ではH. pyloriによる予後の違いは見られなかったが、S-1群では明らかにH. pylori陽性群の予後が良好であった。
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Journal of Surgical Oncology
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