食道癌肉腫は癌腫成分と肉腫成分が混在する腫瘍である。その組織発生はこれまでの遺伝子解析では解析遺伝数が少なく一元、二元両説が存在する。癌腫・肉腫成分についてそれぞれ全遺伝子変異解析を行った。体細胞変異は癌腫成分で216個、肉腫成分で131個、両成分に共通する変異が42個検出された。コピー数以上(copy number variant: CNV)は、癌腫成分で190、肉腫部分で571領域と肉腫部分で多かった。食道癌肉腫はsingle cell originから発症し、体細胞変異を主体とし蓄積する癌腫成分とCNVを主として獲得する肉腫部分に分かれ増殖することが示唆された。
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