研究課題/領域番号 |
15K10118
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
宮下 正夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (70229847)
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研究分担者 |
堀場 光二 日本医科大学, 医学部, 助教 (10328833)
山田 真吏奈 日本医科大学, 医学部, 講師 (70508621)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | miRNA / 食道癌 |
研究実績の概要 |
まずはじめに、食道扁平上皮癌におけるCD147,MCT-1,MMP-9の発現、局在と臨床病理学的因子との関連性を調べるため、43例の手術切除標本を用いて免疫組織化学的な検討を行い、予後との関係を検討した。43例の手術切除標本に対し、癌部3切片、正常粘膜部3切片に対し、CD147, MCT-1, MMP-9に対する抗体を用い免疫染色を施行し、陽性細胞数及び染色強度に対し半定量的にスコアー化し判定した結果、CD147、MCT-1は癌細胞の細胞膜、MMP-9は癌細胞及び周囲間質細胞の細胞質に局在を認めた。CD147は、43例中29例(67.4%)、MCT-1は30例(69.7%)、MMP-9は26例(60.5%)に発現を認め、CD147陽性の29例中、MCT-1陽性は25例(86.2%)、MMP-9陽性は23例(79.3%)であった。CD147/MCT-1 共存発現と臨床病理学的因子との関連では、深達度(T1 33.0%、T2 60.0%、T3以深 71.4%)、リンパ節転移(N0 46.1%、N1以上 66.3%)及び ステージ(I 37.5%、II 41.6%、III 以上 73.7%)に関連性が認められたが、組織型による発現の差は認めなかった。5年生存率は、CD147/MCT-1/MMP-9とCD147/ MCT-1の共存発現で生存率の低下が見られた(p<0.01, p<0.05)。食道扁平上皮癌において、CD147 / MCT-1 / MMP-9の発現は、癌の浸潤、リンパ節転移及び病期、生存率に関わり、特に共存発現は予後不良を示すものと考えられた。その後、手術切除標本を用いてmiRNAの採取を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題の進捗状況が遅れた理由は、miRNAを扱うことのできるテクニシャンの確保に時間を要した為である。確保後、計画に即して実験を行っているが、遅れを取り戻す事はできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は試薬類などの消耗品費用と、平成27年度に進捗状況が遅れた理由でもあるマンパワー不足を解消する為の人件費用に充てる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人材確保に時間を要し研究計画の遅れが出た為、実験を計画通りに進行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度の遅れを取り戻すべく、実験に必要な試薬類などの消耗品費用と、平成27年度に進捗状況が遅れた理由でもあるマンパワー不足を解消する為の人件費用に充てる予定である。
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