研究課題/領域番号 |
15K10126
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
江頭 明典 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (00419524)
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研究分担者 |
藤 也寸志 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (20217459)
森田 勝 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (30294937)
山本 学 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (30380405)
南 一仁 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (50522851)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 食道癌 / 術前化学療法 |
研究実績の概要 |
今年度は研究代表者の異動により、まずはデータベースの構築が必要となり、食道癌のデータベースの構築および臨床病理学的因子を中心とした解析を行った。 2010年以降に当科にて食道癌に対して術前化学療法(NAC)を施行した26例について、治療効果や有害事象、予後に関与する因子について解析を行った。 予後に関与する因子を単変量、および多変量解析にて検討した。臨床病理学的因子(cStage、術前治療効果)、NAC完遂有無などに加えて、これまで各種癌において予後との関連が報告されているGPS(Glasgow prognostic score)、NLR(Neutrophil lymphocyte ratio)、PNI (prognostic nutrition index)についても検討を加えた。その結果、単変量解析では臨床病期との相関傾向を認めたものの(cStageI/II vs III、p =0.09)、その他の因子では認めず、また多変量解析においても有意な因子は認めなかった。 これまでに食道癌に対する化学(放射線)療法の治療効果予測因子の研究についてはEGFR(上皮成長因子受容体)発現が食道癌に対する3剤併用化学療法(DFP療法)による予後と相関する、術前CRTの治療効果とRAD51発現が相関するといった報告がみられる。 一方、アルブミン値とCRP値から求めるGPS、血中の好中球/リンパ球比であるNLR、アルブミン値とリンパ球を用いた栄養の指標であるPNIが予後予測因子として報告されている。 今回臨床病理学的因子に加えGPS 、NLR、PNIについて、食道癌に対する術前治療症例の予後との関連について解析を行ったが有意差は認めなかった。症例数が限られていること(26例)より差を認めなかった可能性があるものの、術前治療の効果や予後についてはバイオマーカーの検索が重要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は研究代表者の異動により、まずはデータベースの構築が必要となり、食道癌のデータベースの構築および臨床病理学的因子を中心とした解析を行った。 本研究の目的は、「消化器癌におけるDNA修復異常の分子機構を明らかにし、非癌遺伝子依存を標的とした消化器癌治療への可能性を模索すること」である。そのために症例数が多い大腸癌検体を用いた解析を予定していたが、前述のように異動となったことより、データベースの構築が必要となり、まずは食道癌の臨床病理学的解析に着手した。 当初の方法に示したように、癌臨床検体を用いたアプローチ(酸化的DNA修復機構、DNA二本鎖切断修復機構、KRAS経路)、及び細胞株を用いたアプローチ(SiRNAによるMTH1抑制、抗癌剤感受性の解析)の両面から研究を遂行し、消化器癌における包括的な分子機構の解明を目指す。その為にこれまで我々が解析を行ってきた食道癌は、DNA修復機構の解明においても利点があり、今回まず行う事とした。 今後は食道癌臨床検体を用いて、DNA修復機構に関与する分子異常の解析と治療効果との関連についても検討を進める。 また当初の予定である大腸癌検体についても解析を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、「消化器癌におけるDNA修復異常の分子機構を明らかにし、非癌遺伝子依存を標的とした消化器癌治療への可能性を模索すること」である。そのために症例数が多い大腸癌検体を用いた解析を予定していたが、前述のように異動となったことより、データベースの構築が必要となり、まずは食道癌の臨床病理学的解析に着手した。 当初の方法に示したように、癌臨床検体を用いたアプローチ(酸化的DNA修復機構、DNA二本鎖切断修復機構、KRAS経路)、及び細胞株を用いたアプローチ(SiRNAによるMTH1抑制、抗癌剤感受性の解析)の両面から研究を遂行し、消化器癌における包括的な分子機構の解明を目指す。その為にこれまで我々が解析を行ってきた食道癌は、DNA修復機構の解明においても利点があり、今回まず行う事とした。 今後は食道癌臨床検体を用いて、DNA修復機構に関与する分子異常の解析と治療効果との関連についても検討を進める。 また当初の予定である大腸癌検体についても解析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の目的は、「消化器癌におけるDNA修復異常の分子機構を明らかにし、非癌遺伝子依存を標的とした消化器癌治療への可能性を模索すること」である。そのために症例数が多い大腸癌検体を用いた解析を予定していたが、研究代表者の異動によりデータベースの構築が必要となり、まずは食道癌の臨床病理学的解析に着手した為、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者の異動によりデータベースの構築が必要となった。 今年度は食道癌の臨床病理学的解析を行ったため、次年度使用額が生じた。 今後はデータベースの構築を行った上で、当初の予定通り大腸癌の解析も行っていく。
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