研究課題/領域番号 |
15K10130
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20706460)
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研究分担者 |
坂田 純 新潟大学, 医歯学系, 講師 (70447605)
味岡 洋一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80222610)
亀山 仁史 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40626420)
小杉 伸一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90401736)
小林 隆 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40464010)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 大腸癌 / 薬物療法抵抗性 / MED12 |
研究実績の概要 |
申請者らは、臨床上KRAS遺伝子変異のないKRAS野生型大腸癌であっても、薬物療法が奏効しない症例が存在することに着目し、「Ras-MEK-ERK経路においてKRAS遺伝子変異とは別の機序で大腸癌の薬物療法抵抗性が生じている」と考えた。そこで、「転写メディエーター複合体サブユニットであるMediator complex 12(MED12)の発現低下が癌の薬物療法抵抗性に関与している」という近年の研究結果を踏まえ、「MED12発現低下が大腸癌の薬物療法抵抗性に関与している」という仮説をたて、本研究を企画した。本研究の目的は、「MED12発現低下が大腸癌の薬物療法抵抗性に関与していることを病理学的・分子生物学的手法により解析し明らかにすること」である。 平成27年度の研究実施計画として予定していた以下の(1)と(2)を行った。 (1)大腸癌外科切除症例100例を対象として、対象症例の原発巣パラフィン包埋ブロックから連続切片を作製し、HE染色とMED12ポリクローナル抗体を用いた免疫組織化学を行った。(2)MED12ポリクローナル抗体による免疫組織化学により、MED12発現を評価し、対象100例をMED12陽性症例とHED12陰性症例とに分類した。平成28年度以降は、これらの成果を学会および論文で発表していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大腸癌100例を対象としたHE染色とMED12免疫組織化学は終了した。また、MED12発現と簇出、リンパ節転移、そして遠隔転移との関係を統計学的に証明した。これらの結果について、第71回日本消化器外科学会総会で発表するために準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
大腸癌におけるMED12発現の意義についての解析が進み、第71回日本消化器外科学会総会での発表を予定している。今後さらに、MED12発現と上皮間葉転換との関連について、免疫組織化学染色を用いて検索する予定である。研究費は免疫組織化学染色に用いる抗体、学会発表にかかる旅費、英文論文に関わる費用などに使用する予定としている。現在、英文論文を作成中である。
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