研究課題
1.大腸癌周囲間質におけるmiRNA 発現変化を介した肝転移機構の解析StageII/III大腸癌16症例(無肝転移再発8例、同時性肝転移4例、異時性肝転移4例)の、原発巣切除検体のFFPE検体からLCM法にて腫瘍間質組織を採取。miRNA Array解析にて、同時性肝転移の有無で2群に分類された。同時性肝転移(+)群の原発巣間質で有意に発現が亢進しているmiRNAが2個であるのに対し、14個のmiRNA発現が低下していた。この内10個をin silico解析し、miR-198の予測標的としてtenascin C(TNC)が同定された。139例の大腸癌原発巣の免疫染色を行い、間質におけるTNC蛋白発現強度と同時性肝転移に有意な相関を認めた。Cox比例ハザード解析では、術後全生存率、術後無肝転移再発共にTNC発現強度が独立予後規定因子であった。大腸癌細胞株SW620と大腸線維芽細胞株CCD18-COを用いて検討を行い、miR-198 mimic処理によるTNC発現抑制、miR-198 inhibitorによるTNC発現亢進が確認された。大腸癌原発巣間質におけるmiR-198発現低下に伴うTNC蛋白の発現亢進による肝転移形成機序が示唆された。2.GIST におけるmiRNA 発現変化を介した肝転移機構の解析胃GIST原発巣と肝転移巣におけるmiRNA 発現を比較検討し、原発巣と比較し肝転移巣で最も発現が高いmiRNA としてmiR-122を同定した。免疫組織化学染色では、miR-122の抑制的標的であるCAT1の発現が原発巣に比し肝転移巣で有意に低く、原発巣におけるCAT1発現と無肝転移再発生存率に有意な逆相関を認めた。肝転移巣で発現が低下しているmiRNAとしてmiR-133bが同定され、miR-133bの抑制的ターゲットのfascin-1の発現が肝転移巣で亢進していた。
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British Journal of Cancer
巻: 117 ページ: 1360-1370
10.1038/bjc.2017.291