癌におけるKRAS遺伝子変異は糖代謝に関与することが分子レベルで近年報告される。大腸癌遠隔転移巣の切除標本を検討したところ、KRAS遺伝子変異は糖代謝に関与することでFDG-PET検査における転移巣へのFDG集積に関与しており、SUVmaxを計測することで71.4%の精度でKRAS遺伝子変異の有無が予測できた。FDG-PET検査は大腸癌における抗EGFR抗体の適応の有無を判断し大腸癌治療に応用できる可能性がある。また大腸癌におけるKRAS遺伝子変異特異的な代謝経路の検討から、グルタミン・アスパラギン代謝の阻害はKRAS遺伝子変異を有する大腸癌に対する新規治療ターゲットとして期待できる。
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