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2015 年度 実施状況報告書

ヒストン脱メチル化酵素を制御するmicroRNAを標的とした新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K10142
研究機関熊本大学

研究代表者

坂本 快郎  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (00452897)

研究分担者 馬場 祥史  熊本大学, その他の研究科, 講師 (20599708)
宮本 裕士  熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (80551259)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードJMJD3 / microRNA / mir186-5p / 大腸癌
研究実績の概要

1)JMJD3とmicroRNAに関する分子生物学的検討
(a)大腸癌由来細胞株におけるJMJD3およびmicroRNAの発現状況の確認:JMJD3を標的とするmicroRNA候補としてmir286-5pをmicroRNA arrayを用いて同定した。JMJD3は大腸癌細胞株のcolo201およびcolo320で高発現である事を確認した。一方で、mir186-5pはcolo201では発現が低く、colo320では高発現である事を確認した。
(b)大腸癌由来細胞株におけるJMJD3およびmicroRNAの機能解析:実際にmir186-5pがJMJD3を標的とするかを確認するために、大腸癌細胞へmir186-5pをトランスフェクションしJMJD3の発現を確認したところ、有意にJMJD3の発現が低下していた。またルシフェラーゼアッセイを用いて、186-5pが直接JMJD3に直接作用することを確認した。
(2)大腸癌症例の臨床検体におけるJMJD3とmicroRNAに関する検討
(a)大腸癌切除標本におけるJMJD3およびmicroRNAの発現状況の確認:これまでの実験でJMJD3は正常組織で高発現しており、癌で低発現である事が分かっている。そこでmir186-5pの発現を確認したところ、有意に癌で高発現である事が分かった。このmir186-5pとJMJD3の発現の逆相関性には統計学的有意差が認められた。
(b)JMJD3およびmicroRNAの発現状況と予後との相関性の検討:われわれは既に大腸癌においてJMJD3低発現では予後不良である事を報告している。そこでmir186-5pの発現と予後との相関性を確認したところ、mir186-5p高発現では予後不良な傾向を示すものの、有意差は認められていない。今後症例数を増やす必要があると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね当初の計画通りに進行しており、特に問題ないと考えている。

今後の研究の推進方策

JMJD3およびmicroRNAの発現量と抗癌剤感受性との関連を、大腸癌細胞株を用いて検証する事を計画している。JMJD3と酵素活性として反対の作用を持つEZH2において、シスプラチン抵抗性と関連しているとの報告があることからJMJD3高発現細胞株は、抗癌剤シスプラチン感受性が高いことが考えられる。さらにmir186-5pを導入した場合のシスプラチン感受性を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

医局保管の消耗品を使用することが出来たため。

次年度使用額の使用計画

次年度は、JMJD3およびmicroRNAの発現量と抗癌剤感受性との関連を、大腸癌細胞株を用いて検証する事を計画しており、検証にかかる細胞培養や各実験試薬、消耗品費に充てる。また、データ管理及び資料作成を補助してもらうための人件費、情報収集にかかる旅費に使用したいと考える。

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公開日: 2017-01-06  

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