研究課題
JMJD3およびmicroRNAの発現量と抗癌剤感受性との関連を、大腸癌細胞株を用いて検証する事を計画している。JMJD3と酵素活性として反対の作用を持つEZH2において、シスプラチン抵抗性と関連しているとの報告があることからJMJD3高発現細胞株は、抗癌剤シスプラチン感受性が高いことが考えられる。さらにmir186-5pを導入した場合のシスプラチン感受性を検討を行った。また、microRNAの結果から2種類のmiRを検出し、in vitroにてJMJD3を抑制するmiRとしてmiR186-5pを同定した。大腸癌細胞株においてmiR186-5pを強制発現させたところ、JMJD3の発現およびCDH1、VASH1、TFAP2Eといった大腸癌における重要な遺伝子の発現抑制を確認できた。
3: やや遅れている
熊本地震で研究室の復旧に時間を要したこともあり、当初予定よりはやや遅れている。が、早い段階で復旧することが出来たため、今後の研究推進に影響が出るほどではないと考える。
今後の研究においては、大腸癌進展におけるmiR186-5pおよび CDH1、VASH1、TFAP2Eの機能解析および、ヒト臨床検体におけるmiR186-5p及びターゲット遺伝子の発現意義の確認を行い、同定したmicroRNAが現象へ与える影響をin vitroの実験を用いてさらに検証し、ヒト臨床検体におけるmiR186-5p及びターゲット遺伝子の発現意義の確認を行う。
医局内保管の試薬等の使用ができたこと、また、当初予定より研究が遅れたため。
主に試薬等の消耗品購入費に充てる他、実験結果の集約、関係書類の整理、保管等の事務作業を手伝ってもらう事務補佐員の雇用経費に充てたいと考える。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
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