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2017 年度 実績報告書

次世代シークエンサーを用いた統合解析による大腸癌肝転移に関するゲノム解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K10152
研究機関日本大学

研究代表者

緑川 泰  日本大学, 医学部, 准教授 (10292905)

研究分担者 檜垣 時夫  日本大学, 医学部, 助教 (70246883)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード大腸がん / 肝転移 / 次世代シークエンサー / 責任遺伝子 / ゲノム異常
研究実績の概要

本研究では大腸がん及び肝転移症例(外科切除症例)よりDNA及びRNAを抽出し、450Kメチル化アレイ・RNAシークエンサーを用いてCpGアイランドを含むプロモーター解析データ、及び包括的発現解析データより異なる種類のデータについてiClusterによる統合解析を行った。発現クラスターでは主に肝転移によると考えられる生命予後を反映するものであり、さらにメチル化の程度により大腸がん患者の層別化が可能であることが示された。これまでに450Kアレイのデータの処理については各遺伝子の上流に位置する多数のプローブをどのように数値化するかが困難であり、バイオインフォマティクスにおけるボトルネックとなっていたが、本研究では各CpG配列の変化する位置からCpG coreと名付けた領域を同定することにより、このデータを用いて統合解析が可能となっている。具体的にはCpG coreのメチル化データと発現データによるクラスタリングにより予後良好な患者群と不良群を層別化することが可能であった。さらにネットワーク解析により発現解析あるいはメチル化解析といった、1種類の解析データのみでは得られない、がん化、がん進展に関与する責任遺伝子を同定可能であることを示した。このネットワーク解析によりPTX3という遺伝子が高メチル化されることにより大腸がん肝転移における責任遺伝子の一つとなっている可能性が示された。
以上の解析方法は大腸がんだけでなく他がん種の発がんメカニズムの解明にも応用可能であり、また、本研究で得られたデータを他のpublic dataで実証することにより今後のがん研究の発展に寄与できるものと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Diabetes mellitus not as an unfavorable factor on the prognosis of hepatitis C virus-related hepatocellular carcinoma.2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshida N, Midorikawa Y, Higaki T, Nakayama H, Tsuji S, Matsuoka S, Ishihara H, Moriyama M, Takayama T.
    • 雑誌名

      Hepatol Res.

      巻: 48 ページ: 28-35

    • DOI

      10.1111/hepr.12888

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Predicting postoperative outcomes of liver resection by magnetic resonance elastography.2017

    • 著者名/発表者名
      Abe H, Midorikawa Y, Mitsuka Y, Aramaki O, Higaki T, Matsumoto N, Moriyama M, Haradome H, Abe O, Sugitani M, Tsuji S, Takayama T.
    • 雑誌名

      Surgery

      巻: 162 ページ: 248-255

    • DOI

      10.1016/j.surg.2017.02.014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A prediction model for the grade of liver fibrosis using magnetic resonance elastography.2017

    • 著者名/発表者名
      Mitsuka Y, Midorikawa Y, Abe H, Matsumoto N, Moriyama M, Haradome H, Sugitani M, Tsuji S, Takayama T.
    • 雑誌名

      BMC Gastroenterol.

      巻: 17 ページ: 133

    • DOI

      10.1186/s12876-017-0700-z

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] B型肝炎既感染肝癌患者におけるB型肝炎ウィルスDNA遺伝子組み込みの網羅的解析2017

    • 著者名/発表者名
      緑川 泰、高山忠利、油谷浩幸
    • 学会等名
      第103回日本消化器病学会
  • [学会発表] Genetic diagnosis of multiple hepatocellular carcinoma2017

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Midorikawa, Shogo Yamamoto, Kenji Tatsuno, Hiroki Ueda, Shingo Tsuji, Genta Nagae, Tadatoshi Takayama, and Hiroyuki Aburatani.
    • 学会等名
      American Association of Cancer Research 2017
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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