研究課題/領域番号 |
15K10156
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
秋吉 高志 公益財団法人がん研究会, 有明病院 消化器外科, 副医長 (50625598)
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研究分担者 |
森 誠一 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がんゲノム研究部, 主任研究員 (10334814)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 直腸癌 / 術前放射線化学療法 |
研究実績の概要 |
本研究の主目的は、進行下部直腸癌に対する術前放射線化学療法(CRT)施行前の生検癌組織の全エクソンシークエンスを行うことで、CRT耐性に関わる遺伝子変異やpathwayの異常を同定し、臨床応用可能なCRT効果予測バイオマーカーを発見するための基盤研究を行うことである。 Hiseq2000を用いて術前CRT施行下部直腸癌74例のCRT施行前内視鏡生検検体(マイクロダイセクションで癌細胞を抽出)の全エクソンシークエンス解析を行い、アルゴリズムに則り体細胞性変異をコールした。ドライバー遺伝子変異、SNV、Indel、focal amplification、homozygous deletionについて、効果良好群(Dworak Tumor Regression Grade (TRG)3あるいは4)と効果不良群(TRG1)で比較し、術前CRTの効果と体細胞性変異の関係を解析した。 また、全エクソンシークエンス解析症例57例を含む104例については網羅的遺伝子発現解析を行った。ssGSEAを行い、術前CRTの効果と相関するpathwayを解析し、いくつかのpathwayがCRT効果と相関することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全エクソンシークエンスのデータから、予定通り体細胞性変異の解析を行い、結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
全エクソンシークエンスと網羅的発現解析のデータを統合的に解析し、術前CRTの効果を決定する因子についてさらに検証し、臨床応用可能な予測法の開発が可能かを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
エクソーム解析に多くの時間を要し、物品の購入に至らなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
解析結果のバリデーションに必要な物品費や論文作成・学会発表費として使用する。
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