肝星細胞の活性化の制御法として、インテグリン抗体その他で検討したが、十分な抑制が得られず、アンチトロンビン(AT)に着目し検討した。血中AT低値マウスを用いて、ジエチルニトロサミン(DEN)と四塩化炭素による慢性肝障害からの肝腫瘍を誘発しATIIIの抗炎症作用と抗腫瘍効果を検討した。肝腫瘍径と腫瘍個数および肝重量は有意にAT低値マウスにおいて高値であった。AT低値マウス群でTUNEL陽性細胞、Cleaved caspase-3陽性細胞、8-OHdG陽性細胞、Ki-67indexはそれぞれ有意に増加した。血中AT活性値が低値のマウスでは、化学発癌誘発による肝腫瘍発症を促進することが示唆された。
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