前年度ではICGラクトソームは特異的に腫瘍にICGを蓄積させ、その結果として光線力学療法を行う事による腫瘍効果が得られた。 本年度は前年度で得られたin vivoでの光線力学療法の結果をもとに、その機序の考察を行った。同様の光線力学療法を行った実験を行い、この際に照射による温度上昇をサーモカメラを用いて測定した。この結果、ICGラクトソームを投与した群において有意な温度上昇を観察することができた。これにより、ICGラクトソームを用いた光線力学療法では、温熱効果の重要性が考えられた。また、治療部位の病理組織を比較検討し、アポトーシス指数がICGラクトソーム群で有意に高いことも判明した。これにより、腫瘍効果の機序としてアポトーシスの存在が判明した。
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