研究実績の概要 |
1.ヒト肝がん由来培養細胞株に対するT-01の細胞障害性と複製能の検討:肝細胞がん培養株(HuH-7, KYN-2, Li-7, JHH-1, JHH2, JHH5, JHH6, JHH7, HLE, HLF, PLC/PRF/5, huH-1)と肝芽腫細胞株(HuH-6, HepG2)に対し、T-01の抗腫瘍効果を検討した。さらに、腫瘍の背景(HBVやHCVなど由来肝炎や分化度など)と細胞障害性の関係を比較した。HLE以外の他の13種の肝癌細胞株において優位に殺細胞効果を認めた。肝細胞癌(ならびに肝芽腫)の腫瘍背景に関わらず、肝細胞癌株に対して高い殺細胞作用と複製能を示した。 2.皮下異種移植したヒト肝がんに対するT-01の腫瘍縮小効果の検討:ヒト肝がん細胞株4種(HuH-7:肝細胞癌/高分化腺癌/HCV関連,KYN-2: 肝細胞癌/低分化腺癌/HBV関連,PLC/PRF/5: 肝細胞癌/中分化腺癌/HBV関連,HepG2:肝芽腫)のヌードマウス皮下腫瘍モデルに対し、T-01の抗腫瘍効果を検討した。T-01接種後28日間のサイズ変化、その後の生存率において、いずれの細胞株も抗腫瘍効果を示した。 肝細胞癌は、臨床において様々な分類がなされている。それに沿ってin vitroではT-01の細胞障害性を比較検討した。ほとんどの肝細胞癌株に対して高い殺細胞作用を示した。in vivoでは、肝細胞癌において頻度の高いHCV関連の高分化型腺癌(HuH-7)、ならびに悪性度の高い低分化型腺癌(KYN-2)などを選択し、皮下腫瘍モデルでの効果を検討した。臨床において問題となる細胞株を中心に検討を加えたが、いずれのがん種においても皮下腫瘍モデルでのT-01の抗腫瘍効果を明らかにした。
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