研究課題/領域番号 |
15K10178
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
川原 敏靖 旭川医科大学, 医学部, 講師 (60407260)
|
研究分担者 |
松野 直徒 旭川医科大学, 医学部, 特任教授 (00231598)
古川 博之 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70292026)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 膵島移植 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
2014年から、継続して21―41kgの豚を購入し、研究を行ってまいりました。豚に点滴ラインを確保し、気管挿管を行い、全身麻酔下で開腹膵臓全摘手術を行い、1型糖尿病のモデル作成に着手してまいりました。術後血液検査で血糖値を測定しておりますが、術後1週間までは血糖が上昇するものの、その後は下降傾向となり、術後2週間ではインスリン投与せずに正常レベルまで回復いたしました。膵臓全摘したにも関わらず血糖値の持続的な高値を伴う糖尿病が誘導されないため、不完全な膵臓切除の可能性、残存する膵臓が機能している可能性を考慮し、膵臓全摘後の豚に術後2日目と7日目にストレプトゾトシン50 mg/日を投与し、残存膵島破壊を試みました。しかしながら、術後2週間目の血糖値はストレプトゾトシン非投与群と比較してやや高値ではあるものの糖尿病は誘発されませんでした 当初の予定では、低侵襲な腹腔鏡下膵臓全摘術を行うつもりでしたが、その前に開腹手術により、確実に膵臓摘出後糖尿病モデルを作成すべく検討してまいりました。手技的な要因も、解剖の理解にも問題なく開腹膵臓全摘術を行いましたが、予想に反して長期の糖尿病を誘導することが困難な状況でございます。 前述のごとく、開腹膵臓全摘によっても切除できていない残膵の膵島が機能して、糖尿病が誘発されない可能性があると考えております。 小動物での検討をまず行い、その結果を参考にして大動物へ応用したいと考えております。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大動物における膵臓全摘手術で、糖尿病が安定して誘導できないというのは誤算でした。ストレプトゾトシンも効果がなく残念な結果となってしまいました。現在、本来の目的であるhepatocyte growth factor (HGF)の膵島に対する細胞保護効果を確認することを第1の目標とし、マウスモデルで検討することにいたしました。そして、その効果が確認できましたところで、大動物へ応用することも検討したいと考えております。
|
今後の研究の推進方策 |
当研究施設において、マウス研究の依頼を提出し、承認を得ることができました。しかしながら、施設において配分される研究スペースに限りがあるため、新規申請の研究者への許可を待っている段階です。 研究の進捗が大幅に遅れてしまい申し訳ございませんでした。研究スペースが確保でき次第、迅速に進めてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究結果が予想通りにいかず、小動物を用いた実験を計画しております。当院研究施設での研究スペースの認可などもあり、実験計画が遅れていることをお詫び申し上げます。その結果、翌年度分としての繰越し額が多くなってしまいました。
|