研究課題/領域番号 |
15K10198
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
浅井 浩司 東邦大学, 医学部, 講師 (20366454)
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研究分担者 |
草地 信也 東邦大学, 医学部, 教授 (70169978)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 急性胆道炎 / メタゲノム解析 / 抗菌薬感受性 / 多剤耐性菌 |
研究実績の概要 |
急性胆道炎は適切な抗菌治療が行われないと致死的となり得る急性感染症である.また,世界的にも抗菌薬耐性菌の蔓延は問題となっており,今後は経験的抗菌薬(empiric therapy)の選択が困難となることが予想される.われわれは胆汁細菌に関するメタゲノム解析による病原体同定に関する研究を立案した.この解析により通常は4-5日を要する細菌同定,抗菌薬感受性結果の確認を24時間以内で行えることが本研究の最大の特色である.胆汁採取方法に関しては,急性胆管炎の場合は内視鏡的・経皮的ドレナージ施行時の際に無菌的に採取を行った.急性胆嚢炎の場合は術前・術中に無菌的に採取して直ちに細菌学的検査に提出した. 初年度は当院に来院した急性胆道炎症例において,インフォームドコンセントを取得後に検体集積を行った.各症例において患者情報を収集してまとめ,細菌培養検査をまとめた.その後,研究計画通りに胆嚢壁,胆汁,唾液,便の検体に関してメタゲノム解析を随時行った.メタゲノム解析結果と院内細菌培養検査結果と同様であることを確認し,メタゲノム解析結果の有用性,信頼性を確認している.通常,細菌培養検査を得るには4-5日必要であるが,メタゲノム解析では24時間以内に細菌情報を得ることができ,さらに抗菌薬耐性菌(ESBL)の判別も短期間で行えることも確認している.現在も症例・検体集積を行っている. また,急性胆嚢炎に関する学会発表,論文作成も積極的に行った(発表の詳細は別に示します).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記したように,来院した急性胆道炎症例に関して検体集積を行っている段階である.予定通り症例集積は行われているが,メタゲノム解析の進行状況はまだ若干の遅れを認めているため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は平成27年度と同様に症例集積を行っていく予定であり,また,7月以降ではより頻回にメタゲノム解析を行える予定となっているので,現在,若干遅れているメタゲノム解析が進行していくことが期待される.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究時にかかった物品費が\260,496と予想よりも少ない金額であったことからこのような結果になったと考えられた.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度では実験回数の増加が予想され,それに伴い物品費の増額が予想される.
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