研究課題/領域番号 |
15K10200
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中村 育夫 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10625312)
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研究分担者 |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 胆管細胞癌 / sulfatase / 癌増殖 / EMT |
研究実績の概要 |
最近、Sulfatase(SULF) が肝細胞癌で増殖、浸潤、Epitherial-mesenchymal transition(EMT)において重要な役割を示すことを明らかになった。SULF は胆管癌細胞株においても発現している。本研究はSULF の胆管癌での増殖、浸潤、EMT、アポトーシスの作用機序、癌微小環境での役割を明らかにし、SULF の胆管癌での治療応用へと展開するための研究基盤を確立することが目的である。 今回、増殖転移しやすい胆管癌に対してSULFの役割を解明することは、非常に意義があると思われる。我々は、予備実験においてSULF2 が胆管癌細胞株に発現することを見出した。また、我々の研究からSULFは肝細胞癌において非常に多岐にわたるシグナル(FGF, Wnt, PDGF, TGF-β)に関与し、癌増殖、浸潤、EMT に関与していることが分かった。胆管癌においても、Wnt, PDGF およびTGF-βシグナルは、癌増殖、浸潤に重要な役割を果たすことが知られている。以上より、胆管癌の癌増殖、浸潤、転移にSULF が様々なシグナルに関与する物質としての役割を果たすであろうことが予測され、それを明らかにできれば、非常に特色のある研究になると思われる。 平成27年度は、肝内胆管癌の切除標本を用いて免疫染色を行い、SULF1, SULF2、EMTのマーカーの発現を確認した。また、胆管細胞株を用いて、SULF1, SULF2の発現を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肝内胆管癌の切除時の摘出標本を用いてSULFの発現と予後解析を行う研究を開始している。現在、当科で集積された患者データを解析している。また、当科で保管されている検体を用いて、SULF1とSULF2の発現を免疫染色を行っている。SULF1とSULF2の抗体の不具合で発現を見ることができず、良い抗体を見つけるのに時間を要した。最終的に、抗体を用いて免疫染色を行うことができ、現在免疫染色を行っている。また、EMTのマーカーを用いて、免疫染色を開始した。 胆管細胞株を用いた実験では、胆管細胞株においてSULF1とSULF2の発現をreal time PCRを用いて確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の平成27年度の研究計画で施行できなかった実験を、平成28年度に行う予定である。臨床検体を用いて行うSULFの発現とその予後解析については、免疫染色のための抗体はすでに確保できているため、免疫染色を続行し検体数を増やして予後解析を行っていく。また、細胞株を用いた実験に関して、今後、SULF1とSULF2をノックダウン、または強発現させて細胞増殖、アポトーシス、細胞浸潤などを調べていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が予定していた計画より遅れたため、平成27年度の研究費が残存した。 免疫染色の抗体の不具合によりの発現を確認するのに時間を要した。胆管癌細胞株でのSULF1,SULF2の発現を確認するのに時間を要した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の未使用分は、臨床検体を用いた免疫染色の際に用いる抗体と、細胞株を用いた研究に使用し、さらに平成28年度の研究を行っていく予定である。
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