研究課題
胆道癌においては、外科切除とゲムシタビン+シスプラチン併用療法以外の有効な治療が開発されていない。これまでの臨床および基礎に関する検討から、われわれは治療成績の向上のためには術前治療の開発が課題でと考えているが、至適治療法の開発には、癌の局所進展・転移部における腫瘍進展因子と治療抵抗因子に関する解析が必要であると考えた。本研究においては、胆道炎症が癌の進展・転移や化学療法抵抗性に影響していたこと、化学放射線療法によって局所リンパ節転移が制御されたことから、化学放射線療法による抗腫瘍効果の違いを、これまで解明してきた胆道癌における癌治療抵抗性因子を中心に検討することとした。これまで、化学放射線療法後の胆道癌切除症例の蓄積を行い、化学放射線療法後に切除を施行した切除可能、切除不能胆道癌55例を解析した。さらに、術前ゲムシタビン併用化学放射線療法27例を手術単独群79例と比較して、臨床病理学的背景の違いを明らかにした。また、術前画像診断を用いて症例をマッチングさせ、IPTW解析を用いて治療選択のバイアスを最小限とし、術前ゲムシタビン併用化学放射線療法の有効性を示した。そして、術前化学放射線療法を、現在の標準治療であるゲムシタビン+シスプラチン併用化学放射線療法へ拡大し、検討を開始した。術前化学療法群も症例として追加し、胆道癌における術前化学放射線療法と術前化学療法の違いを明らかにすることを試みた。
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