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2015 年度 実施状況報告書

血管新生薬剤による虚血性心筋症の克服

研究課題

研究課題/領域番号 15K10214
研究機関大阪大学

研究代表者

上野 高義  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (60437316)

研究分担者 宮川 繁  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授(常勤) (70544237)
福嶌 五月  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80596867)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード心筋再生 / プロスタサイクリン作動薬 / 有茎大網 / 心筋血流量 / 心筋血管抵抗
研究実績の概要

本研究では、障害部位における血管新生作用を有する腹部臓器である有茎大網を応用することで、「有茎大網の心表面への移植を併施することにより、ONO-1301単独治療よりも虚血性心筋症における局所心筋血流を増加させ、心機能改善効果を増強させる」ことを仮説としている。この仮説を検証するために、当年度は下記を行った。
1)虚血性心筋症動物モデルに対して、作成4週間後に左室の収縮低下と左心全体の内腔拡大を心エコーにて確認した。また個体差はあるものの、側副血行路の発達も見られたことから、虚血性拡張型心筋症モデルの成立に成功したと判断した。開胸下に心左室虚血部に対して、ONO-1301SRを浸漬させたゼラチンシート、および有茎大網の被覆を行った。全例において、同手技に成功し、本治療の実現可能性が証明された。
2)予定されていた4群(コントロール群、大網のみ群、ONO-1301SRのみ群、大網+ONO-1301SR群)について、心エコー検査、心カテーテル検査等を行ったところ、大網+ONO-1301SR群において、他の群に比べて、1.心機能の向上、2.局所心筋血流の増加、3.局所微小血管抵抗の低下、が有意にあることが確認された。
3)これらの群を治療後4週間において犠牲死させ、組織学的に評価したところ、大網+ONO-1301SR群において、他の群に比べて、より微小血管数が多く、かつ線維化率が低いことが証明された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初、平成28年度に行う予定であった、心筋の組織学的評価をある程度まで行うことができ、理屈にあった結果が得られた。

今後の研究の推進方策

さらに、組織学手検証を進めるとともに、心エコー検査、カテーテル検査等で得られた莫大なデータを整理することで、本課題のコンセプトを証明する。

次年度使用額が生じた理由

今年度予定していた試薬および消耗品費用を予定よりも抑えることができたため

次年度使用額の使用計画

引き続き行う予定としている組織学的評価に関する費用として使用する計画としている

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A sustained-release drug-delivery system of synthetic prostacyclin agonist, ONO-1301SR: a new reagent to enhance cardiac tissue salvage and/or regeneration in the damager heart2015

    • 著者名/発表者名
      Fukushima S Miyagawa S, Sakai Y, Sawa Y
    • 雑誌名

      Heart Fail Rev

      巻: 20 ページ: 401-13

    • DOI

      10.1007/s10741-015-9477-8

  • [学会発表] プロスタグランジンアゴニストを用いたCell-Free型再生医療の重症心不全への応用2015

    • 著者名/発表者名
      福嶌 五月
    • 学会等名
      第42回日本臓器保存生物医学会
    • 発表場所
      いわて県民情報交流センター
    • 年月日
      2015-11-13 – 2015-11-13
  • [学会発表] Oral administration of synthetic prostacyclin agonist ONO-1301 prevents deterioration of cardiac performance by preserving cardiac structural proteins in the delta-sarcoglycan-deficient hamster: promising treatment for patients with DCM2015

    • 著者名/発表者名
      Miyagawa Shigeru
    • 学会等名
      American Heart Association 2015
    • 発表場所
      ORANGE COUNTY CONVENTION CENTER USA
    • 年月日
      2015-11-07 – 2015-11-11
    • 国際学会
  • [学会発表] 新規プロスタサイクリンアゴニストを用いた慢性虚血心筋に対する心筋再生療法の開発2015

    • 著者名/発表者名
      福嶌 五月
    • 学会等名
      第20回日本冠動脈外科学会
    • 発表場所
      ウエスティン都ホテル京都
    • 年月日
      2015-07-09 – 2015-07-09

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公開日: 2017-01-06  

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