研究課題
虚血性心筋症モデルを作成し、sham群、ONO-1301徐放剤単独貼付群、大網単独群、ONO-1301徐放剤+大網同時移 植群の4群にランダム化しそれぞれの介入を行った。介入4週後および12週後に、経胸壁心超音波検査、心臓MRI検査、アンモニアPET検査 、心臓カテーテル検査を行うことで、局所を含めた心収縮能・拡張能の定量的評価ならびに、局所心筋血流の定量的評価を行った。特に 心臓カテーテル検査では、薬剤負荷時あるいは左冠動脈主幹部をバルーン閉塞したときの、胃大網動脈の血流量変化を定量的に評価することで、本治療が心筋血流に与える影響を定量的・定性的に検討した。さらに摘出心の病理学的・分子生物学的評価を行うことで、 心筋組織、特に心筋微小血管に与える効果を検討した。また、採取されたサンプルの検討を血管新生効果と心筋組織全体に対する効果に分けて摘出 心臓標本の検討を行った。血管新生については、抗von Willebrand factor抗体、抗CD31抗体による染色により血管内皮細胞を同定し 、毛細血管や細小動脈、小動脈の分布や数を定量的に評価した。同時にKi67にて染色することにより増殖細胞を同定し、半定量化した 。また、梗塞部位、遠隔部位、境界部位に心筋組織を分けて、VEGF、HGFなどの血管新生に関わる因子のReal-time PCRやWestern blot を行うことにより定量的にこれらの発現を検討した。心筋組織全体に対する効果としては、梗塞面積や線維化面積の算出をMasson's t richrome染色により行い、心筋肥大の程度をPAS染色により半定量的に検討し、心筋細胞のアポトーシスをTUNEL染色により半定量的に 評価した。これらのデータを解析し、現段階で論文化まで至っている。
すべて 2018
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Journal of Thorac Cardiovasc Surgery
巻: Epub ahead of print ページ: in press