現在、心臓移植のドナーとなりうるのは脳死に陥った患者様(脳死ドナー)であるが、その発生頻度は少なくドナー不足が問題となっている。代替として心停止を起こした患者様がドナーとなる場合(心停止ドナー)があるが、心臓は脳死や心停止になった際に同時に障害を受けてしまい、心臓が臓器移植に耐えうるかどうか不明であるという問題がある。本研究では、心停止ドナーからの心臓移植の実現を目指して、どのように心臓を保護すれば、一度心停止になった心臓が蘇生されるかを調べた。結果として、適切な心筋への血液や酸素の供給(調節再還流)を行うことで、心停止前と同等の心臓の機能まで回復することが示された。
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