研究課題/領域番号 |
15K10225
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
新田 隆 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (40256954)
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研究分担者 |
石井 庸介 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10307895)
坂本 俊一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50398872)
宮城 泰雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (00350116)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 心房細動 / 伝導ブロック |
研究実績の概要 |
前年度の検討から、使用するアブレーションエネルギーを高周波から凍結凝固に変更した。今年度は、摘出ブタ心を用いて凍結凝固を用いた新規アブレーションデバイスを使用してパイロットスタディを行った。パイロットスタディの結果では、1.凍結凝固では完全な全層性壊死巣を作製するには高周波焼灼よりも時間がかかる。2.操作性の点からは、凍結凝固は弁輪部や冠静脈洞など凍結範囲が比較的狭い部位に適している。3.心房自由壁における比較的長い線状凍結においては、全長にわたる壊死巣の確認が必要となる。高周波焼灼では通電中の組織の電気抵抗の変化から全層性壊死の作製を推測していたが、凍結凝固では凍結プローブ付着部位と対側での凍結塊(iceball)の目視確認により全層性壊死が保証され、これは病理学的検討でも確認されている。4.心房自由壁の線状焼灼では、心房内腔からの凍結では心外膜面でのiceballの目視確認が可能であるが、心外膜面からの凍結では内膜面の目視が困難であるだけでなく心房内腔の血液による加温効果により不完全な凍結巣が作製された。5.線状凍結巣の幅は10-20mmであることから、20mmの電極間距離を持った双極電極から得られるdouble potentialの解析により全層性壊死を電気生理学的に証明できる可能性が示唆された。 問題点として、線状凍結においては凍結巣の幅が必ずしも均一にならない。凍結プローブと組織との接着度により作製される凍結巣の幅と深達度が異なることが挙げられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究に使用する凍結凝固デバイスの認可が遅れたため
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成29年度では、パイロットスタディで得られた結果に基づいて双極電極を作製し、心房表面からの線状凍結中に凍結巣を挟む双極電位を連続記録し、得られるdouble potentialの解析から全層性壊死の作製が確認可能かを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用する凍結プローブの市販が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
凍結プローブの購入費とともに電極のデザインと購入費に充てる。
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