研究課題/領域番号 |
15K10232
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 拓也 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70579755)
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研究分担者 |
後藤 均 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (00400333)
大田 英揮 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40586905)
中村 保宏 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (80396499)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | SPIO MRI / 腹部大動脈瘤 / マクロファージの局在診断 |
研究実績の概要 |
中膜、外膜レベルのマクロファージ(MΦ)の局在を超常磁性酸化鉄(SPIO)造影剤を用いたMRIで評価した。腹部大動脈瘤に対し開腹手術を行う症例を対象とし、手術予定日の2日前にSPIO造影剤を投与した(SPIO群)。control群も登録した。術中に瘤壁を採取し、SPIO群ではex vivo MRIを施行した。採取した標本はHE染色、ベルリンブルー染色(BB)、免疫組織化学(CD68)、そして、BBとCD68の二重染色で染色した。MΦ陽性の症例において、総MΦ数とBB陽性MΦ数をカウントし、その割合を分析した。また、BB陽性面積とBB陽性MΦ数の相関、中膜、外膜レベルのBB陽性面積とMRIのROIの相関を分析した。SPIO群は15例、control群は6例であった。MΦを平均1個/視野以上認めたものはSPIO群に7例、control群は全例でありそれぞれ、SPIO(M+)群、control(M+)群とした。総MΦ数は両群に差はなかったが、総MΦ数に対するBB陽性MΦの割合は、SPIO(M+)群で有意に大きく(p<0.01)、SPIOのMΦ内への取り込みが示唆された。また、SPIO(M+)群のBB陽性面積とBB陽性MΦ数を分析すると、順位相関係数(τ)= 0.58、p<0.01と有意な正の相関を認めた。さらに、BB陽性面積とMRIのROIを分析した。SPIO群において、MΦの存在する瘤壁ではMΦの分布とMRIのT2*強調像の分布間に相関がみられた。SPIOが中膜および外膜のMΦに取り込まれることを確認した。これを利用して、中膜および外膜に存在するMΦの分布とex vivo MRIシグナルの有意な相関関係を明らかにし、将来MRIで瘤壁MΦの局在診断が可能であること示した。in vivo MRIへ応用することで瘤拡大因子の解明や、新たな指標に繋がる可能性がある。
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