グラフト閉塞の原因となる内膜肥厚に対し、抗凝固剤等の治療が行われてきたが定まった治療法はまだない状況であり、さらに閉塞したグラフト吻合部を精査すると、内膜肥厚も認めるが石灰化をきたしていることが多い。そのため、この石灰化のメカニズムを精査することがさらなるグラフト開存につながることが予測される。最終糖化反応生成物である(advanced glycation end-product:AGE)に注目した。AGEは血管平滑筋細胞の増殖を促進させるため吻合部において内膜肥厚を起こす要因のひとつと考えられた。そして、AGEを投与した群では、コントロール群と比較して形質転換が誘導され石灰化が促進された。
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