研究課題/領域番号 |
15K10248
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
平林 葉子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90341106)
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研究分担者 |
森田 一郎 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30200413)
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40379730)
高岡 宗徳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50548568)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 5-ALA |
研究実績の概要 |
【動脈硬化マウスを用いたALAによる動脈硬化抑制効果の解明】 ALAによる動脈硬化の抑制効果を示すため、動脈硬化モデルマウスの確立と投与ALA量の設定を行った。本モデルは不飽和脂肪酸含有量の高い油脂を付加した高コレステロール食により、高血清コレステロール値を示し、組織学的に大動脈弁に脂質沈着を伴う動脈硬化像を示す。動脈硬化モデルマウスにALAを摂取させ、動脈硬化および血管閉塞の抑制効果を検証した。高コレステロール食による動脈硬化モデルをコントロール群とし、同時に5-20㎎/kgの ALAを連日摂取させる群(ALA群)と既存の高脂血症治療薬を摂取させる群(エパデール群)を各々設定した。4週目、8週目、12週目に血中コレステロール、LDL、HDL、リポタンパクの測定を行った。14週目に犠死させ、病理学的解析を行うことにより、動脈への脂肪沈着・動脈硬化、血管内皮細胞の障害度および血管閉塞の抑制効果の検証を行っている。ALAの投与量については5,10,20㎎/kg の3群を設定し、用量依存的な高脂血症抑制効果と動脈硬化抑制効果について検証し、次年度以降の分子生物学的実験および臨床応用への基礎データとする。 【今後の研究の展開に関する計画】 動脈硬化モデルにより、ALAによる動脈硬化抑制効果が明らかになれば、その分子生物学的機構の解明を行う予定である。ALAにより、ミトコンドリア酵素であるチトクロームcオキシダーゼの酵素活性が有意に増加することにより、血管内皮の酸化ストレスが抑制されると考えられているが、マウス血清中の酸化LDLを、モノクローナル抗体を用いた高感度測定法を用いて測定することにより、ALAによる動脈抑制効果と酸化ストレスの関係を解明することを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、初年度はALAによる動脈硬化の抑制効果を示すため、動脈硬化モデルマウスの確立にむけての適切な条件設定を行った。
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今後の研究の推進方策 |
ALAによる動脈硬化の抑制効果を示すため、動脈硬化モデルマウスの確立とALA投与の条件設定を行っているが、本モデルにより、ALAによる動脈硬化抑制効果が明らかになれば、その分子生物学的機構の解明を行う。マウス血清中の酸化LDLを、モノクローナル抗体を用いた高感度測定法を用いて測定することにより、ALAによる動脈抑制効果と酸化ストレスの関係を解明する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動脈硬化モデルマウスの確立には更に詳細な条件設定が必要であり、初年度はモノクローナル抗体による高感度測定を行う必要がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
動脈硬化モデルマウスの確立にかかる消耗品費に加え、モノクローナル抗体を用いた高感度測定キットの購入に充てる予定である。
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