研究課題/領域番号 |
15K10253
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青山 晃博 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60379047)
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研究分担者 |
陳 豊史 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00452334)
伊達 洋至 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60252962)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 肺移植 / 慢性拒絶 / 免疫抑制 / ラット |
研究実績の概要 |
肺移植における慢性移植肺機能不全には慢性拒絶反応による病態も含むが、病理学的には閉塞細気管支炎を呈する症例や線維化主体の症例(RAS)もあり、これらモデルを確立することが治療介入実験を行なう上で重要である。 Lewis rat にBrown Norway rat の左肺を同所性に移植した。免疫抑制剤の投与期間を調節し、術後35 日投与するLong IS 群、21 日投与するmedium 群、14 日投与するShort IS 群として術後98 日目に犠牲死させ、組織学的検討を行なった。Short IS 群は、全例に胸膜、胸膜直下、肺葉中心に多量のコラーゲン線維の蓄積を認めた。肺動静脈周囲の肥厚および閉塞を認めた。Medium IS 群では、肺野の線維化は軽度である一方で、胸膜や肺葉中心におけるコラーゲン線維の蓄積は顕著に認められ、Long IS 群では、胸膜や肺葉中心の線維化も軽度であった。気道の線維化および気道閉塞についてはShort IS 群で最も顕著で、次いでMedium IS 群、Long IS 群であったMHC class I フルミスマッチのラット同所性肺移植モデルにおいて、術後免疫抑制期間の調節によりRAS 類似の肺障害が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラットのMHC class Iミスマッチの肺移植モデルを作成するにあたり、 1 手技的理由によるラットの死亡や移植肺機能不全の頻度を1割以下とするよう手技の安定に数ヶ月を要した. 2 ラット肺移植後の免疫抑制期間、組織学的検討を行なう時期を選定するのに数ヶ月を要した. ことが理由として挙げられる.
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今後の研究の推進方策 |
肺移植後の線維化モデルが確立され、また線維化の程度が免疫抑制期間と関連することから、研究代表者がカニクイザルで制御性T細胞の活性化、増加を示した低用量IL-2を本モデルに当てはめ、これらの線維化が抑制されるか、あるいは形成された線維化が改善するのかを検討する。
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